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August 16, 2005

8月14日 古書店

お盆休み、古書店をぶらぶら。
お気に入りの古書店の店主の方に
「鏡さんですよね」なんて声をかけられて
照れたりしつつ、お買い物。

今日の戦利品(!)は、雑誌「プシケー」の創刊号から3号までです。
「プシケー」は、日本ユングクラブが刊行する年報です。専門研究者だけではなく、ユングを愛好する人々のために広く情報を提供してネットワークを作っている組織なんですが、僕がユングに関心を持ったころには、すでに立派な組織になっていました。

psyche
これまでに僕も何度かこの雑誌に寄稿させていただいたことがあります。(たとえばプシケー20号「プロメテウスの哀しみ」という文章は、占星術の天王星のシンボリズムとテクノロジーの関係について思いのままにつづっています)

今回見つけたのは、1982年に出たプシケーの創刊号から3号まで。
東西の哲学に深い知識をもっておられる湯浅泰雄先生の講演録や遠藤周作さんと湯浅先生の対談、現在文化庁長官で日本のユング心理学の第一人者・河合隼雄先生の、自著をめぐる秘話など興味深い内容が満載です。80年代のユング心理学をめぐる熱い雰囲気が伝わってきますね。

もう1冊は、やはり80年代のユング心理学書を代表する本で、C.A.マイヤー著秋山さと子訳『夢の治癒力』。実は、これずっと手元におきたいと探していた本でもありました。ずっと品切れで、図書館でしか借りれなかったんだよね。

yume
古代ギリシャの、医学の神であるアスクレピオスは、夢の中に現れて患者を癒す力を持った存在としてかつては篤い信仰を集めていました。
つまり、心理療法のはるかなルーツといえますね。

マイヤー博士は、ユングの高弟の一人でしたが、古代ギリシャの夢の治癒力の信仰と、現代の患者の夢とをいきつもどりつしながら、心の奥底にうごめく神秘的な治癒力を描き出していきます。

最新の歴史研究だとか、学問的な態度からすると、こうしたイメージの連鎖による記述、叙述はおそらく批判しどころ満載なんでしょうけど、やはり僕自身はこうした雰囲気というか世界は好きなんですよね。

こういう本を読むと、ああ、原点に返ってきた、という安心感を覚えます。
シンボルの連鎖から、古代と現代の心を結ぶ作業は、それ自体がひとつのアートのようなものだと思うのです。

Posted by 鏡リュウジ  書籍・雑誌 |