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August 03, 2005

8月3日 物語とタロット

またまた、タロットを買ってしまいました。
コレクションは増え続けるのですが、まあ、仕方がないかな。
今回届いたタロットは三種類。

ひとつは
Kris WaldherrによるThe Lovers  Path Tarot(Us Games)

005
この作者は「女神のタロット」でも知られています。
豪華な大判の箱に収められたのはフルカラーの解説書、78枚のカード、そして
美しいスプレッド・シート。
このデッキがユニークなのは、絵札のそれぞれが世界各国の
神話や伝説におけるカップルに置き換えられていること。

006
たとえば、1番の通常の「奇術師」には「魔法」とタイトルが変えられて
英国の伝説的魔術師マーリンと、マーリンが恋に落ちた湖の妖精ヴィヴィアンが
描かれています。さしもの賢者のマーリンも、恋の魔法には勝てず、自分の知っている魔法のすべてをヴィヴィアンに教えてしまったので、逆にヴィヴィアンに魔法にかけられて見えない塔に閉じ込められてしまった、
という伝説があるのです。このカードは、ここでは「自分を変容させるような力」をあらわします。

2番目の札は、オーソドックスなデッキでは「女教皇」ですが、ここでは知恵を働かせて
自らの命を救ったシェラザード姫。そう、千夜一夜物語の語り手です。タイトルは「知恵」。
3番目の女帝は「豊穣」と名が変えられ、シーザーとクレオパトラが、4の皇帝は「権力」とかわってアーサー王とギネヴィア姫が、さらに教皇は「伝統」となってトリスタンとイズーが描かれます。

それぞれの絵はとても美しく描かれ、また一枚一枚の物語が生き生きと神話のカップルを描き出すのが魅力的です。

小アルカナは、それぞれのスートがまるで紙芝居のように、トリスタンとイズー、ジーグフリードとブランヒルデ、クピドとプシケ、ダナエとゼウスという神話の愛の物語のそれぞれのシーンが描かれています。これは、リズ・グリーンらの「神話タロット」と同じようなアイデアですね。

二つ目はPhilip and Stephanie Carr-Gomm監修 Will Worthington画 
The Druid Craft Tarot (St.Martins Press)

007
カーーゴム夫妻はイギリスの有名なドルイド教団を率いる、代表的な現代ドルイドであり、
異教学者です。ドルイドとは、古代ケルトの宗教的指導者だったとされている存在であり、
17世紀以降、その復興運動が盛んになりました。イギリスには今ではいくつかのドルイド団体があって、自然と一体であった知恵を復興させようとする運動が盛んになっています。
またウイッカと呼ばれる、古くから続く魔女の伝統を再興(あるいは創造)しようとする運動もあり、このタロットはウイッカとドルイドの二つの伝統を統合しようとしているのです。
008

大アルカナは、とくにユニーク。古代ケルトの世界が再現されていて、とても幻想的です。
小アルカナのほうは、有名なウエイト-スミス版の影響を強く受けていて、
通常のタロットに親しんだ人なら、すぐに使いこなすことができるでしょう。

そして、最後にご紹介するのは「千夜一夜タロット」

009
78枚のフルセットで、Leon  Carre画。イタリアの有名なカードメーカー、スカラベオ社からの新作です。
伝統的なタロットのシンボリズムはほとんど残っていませんが
美しい絵本の挿絵がアラビアンナイトの世界を描き出しています。

010
惜しむらくはもう少し大判であれば、もっと細部まで楽しめるのになあと。
手になじみやすいサイズではありますが、このデッキは実践よりも観賞用だと思いますから。

まだまだ面白いタロットや本が手元に届いていますから、また今度ご紹介しますね。

Posted by 鏡リュウジ  書籍・雑誌 |