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October 31, 2005

10月29日 これはいい!星読み

占星術家の書いた本でビビっとくるのは数は多くないのですが
今日みつけた
新刊『星読み ホロスコープなしでわかるあなたの運勢』(幻冬舎コミックス)
久々に心を動かされた作品です。

著者は石井ゆかりさんという方。星占いのサイトをやっていらっしゃる方らしいのですが
どんなバックグラウンドなんだろう??
けして文字数の多い本ではないんですが、
ちょっとポエテイックで、星のシンボルをわかりやすく、しかも、
イメージ豊かに伝えています。

こういう本、はっきりいって僕好みです。
なんだか疑似科学的なこけおどしとか秘教的なめくらましから
自由でいて、かつ、正直。
しかも、すっと心に入ってくる暖かな文章。
オリジナリテイにもあふれています。

それぞれの惑星、12星座、ハウスについて
みじかく、しかし、心に伝わるような何かをいれながら
書かれていて、感激。

来年の星の動きの手帳も付録についています。

ほかの人(商売敵??笑)の宣伝してどうする!
という気もするんだけど、しかし、こういう本が出てきたのは
僕にはすごくうれしいのでご紹介しちゃいました。

Posted by 鏡リュウジ  書籍・雑誌 |

October 31, 2005

10月28日 蹴球の夜

昨日、セパタクローの日本代表選手でアジア大会でのメダリスト、
寺本進さんと先日までカナダのプロリーグで活躍していたサッカープレーヤー深澤仁博さんが遊びにきてくれました。

運動オンチもいいところで、スポーツにはとんと縁のない僕なのですが
こんな僕のところにも来てくれていろいろ話をしてくれたり、聞いてくれたりしてくれる
とてもあったかい人たちです。
当然僕のほうが年上なんですが、今日は逆に話を聞いてもらったようで
こちらがほっとさせられましたよ。

soccer


サッカー選手というと、なんとなく、すごく遊んでいて
派手だという先入観があったんですが(失礼!)
深澤選手(写真右)はすごくストイックだし、まじめそのもの。
もう帰国されたんで終わっているんですが、
深澤くんのブログもあるのでご紹介します。
イケメンでまじめで、となんだかできすぎた人がいるんだなあと。
http://blog.livedoor.jp/mfukasawa/



セパタクローというマイナースポーツの普及に力を尽くしている
寺本さんも、とってもまじめで、だらだらしている最近の若者に
見せてやりたい!!などとオヤジな気持ちをかきたてられました。

http://ameblo.jp/sepaktakraw/

こちらも応援よろしく。

soccer2

好きなことに全力で力を尽くしている人たちは、ほんとに素敵ですね。
ちなみに、今日のおもてなしメニューは最近流行のラムチョップのロースト
自分でいうのもなんですが、焼き加減もカンペキで、
すごくいいデキでした!!

あ、そうそう。なんか調子にのってやってしまった真夜中の筋トレは僕にはちょっとキツかったかなあ。
ローラーの使い方など教えてもらって、最近気になりだしたお腹の引き締めなど
やってみたんですが。今度から彼らが後輩に頼んでトレーナー探してくれるそうなんで
楽しみにしていてください。
(ダレだ、どうせ二日と続かない、なんていっているのは・・・)

Posted by 鏡リュウジ   |

October 26, 2005

10月24日 チャリテイ、そしてケルトからチベットへ

もう今月も終わりですねーー
早いです。しかも僕の周囲では風邪が流行中。
みなさん、気をつけて。僕は風邪予防に
ユーカリのエッッセンシャル・オイルをたいています。
抗ウイルス効果があるそうですよ。
風邪の編集さんが見えたときには、
テイッシュに数滴つけてさしあげて
差し出します。すこーしですが喉や鼻がラクになるので。
もちろん、体質もあるので、無理のない範囲で試してみてください。

さて、今日はまたイベントのお知らせです。
11月11日に、NY在住の画家、藤田理麻さんが
中心となって行われるチャリテイ・パーテイが開催されます。

場所は東京、渋谷のBUNKAMURA
チベットの孤児たちに絵本を贈る運動。
僕も実行委員になっています。会費10000円ですが
これは全額寄付されるということ。ちょっとお高いですが余裕がある方はぜひ。
僕もパーテイには顔を出す予定です。
桐島ローランドさん、YOUさんの朗読をふくめ
楽しい企画のアットホームなパーテイの予定です。
詳しくは、このホームページで。
http://www.bunkamura.co.jp/gallery/event/fujita2005.html

ところで、昨夜(というか朝方)寝る前に、
昔買った本をぱらぱら見ていたら、エヴァンツ・ヴェンツ著の
The Fairy Faith in Celtic Countriesが出てきて
思わず開いていました。ブログでもちょっと書かせていただいた
ケルトのSamhain(ハロウイン)のことを思い出していたので
このタイトルが目に入ったんですね。

で、チベットの孤児を支援するイベントのことを考えていたら、
ヴェンツの本が出てきて、面白いシンクロだと感じたので
少し長くなりますが、ヴェンツのことなど紹介させてください。


ヴェンツは相当面白いアメリカ人で、子供のころから不思議な世界に深い関心を示し、イギリスに渡ってからオックスフォードでケルト学を学びます。
ヴェンツは、文献に頼らず、自分の足でウエールズやスコットランドの妖精譚を収集して本にまとめました。この大部の著書は、その研究成果。
のちに東洋を広く旅する行動派としての一端がここでも伺えます。

ヴェンツは、この本の最後の「現代科学と妖精信仰」の章で
妖精の実在性も、科学的に証明できるようになるだろう、なんて
イっちゃったことをいっていて驚かされるのですが、この本が書かれた1911年ごろにはイギリスの知識人たちにも死後の世界や妖精を真剣に信じている人々がいたのですよ。

ちなみに、タロットの世界の普及の名作、ウエイト=スミス版が出たのも1910年。また、かのコナンドイルが本物だ!と思い込んだ、少女たちと遊ぶ妖精の写真が撮影されるのは、
その直後の1917年ごろです。

手元にあるヴェンツのこの本は94年に再版されたものですが、なんとテレンス・マッケンナによる序文が付されています。

マッケンナといえば幻覚植物(キノコ)とそれがもたらす変性意識の研究というアヤシゲな
活動で知られ、現在のトランスカルチャーなどにも深く影響を与えている人物。
妖精というと、なんとなく、安全無害な「オンナコドモ」の興味の対象物と思われそうなんですが、こんなところにとんがったカルチャーのマッケンナが顔を出しているとは。ここもまた、面白いつながりでしょう?

ところで、
僕の一世代前の先輩たちにとっては、エヴァンツはケルトよりも
チベットの精神世界の紹介者として知られていったほうがずっと通りが
いいでしょうね。おおえまさのり訳で出た、『チベットの死者の書』の
原点となった英訳を作って、60年代から70年代のカウンターカルチャーに大きなインパクトを与えたのは、このヴェンツなのです。

ヴェンツのクラスメートに、かのアラビアのロレンスがいて、ヴェンツはロレンスを頼ってエジプトに、そしてそこから足を伸ばしてインドにたどり着きます。
お茶にその名を残す、ダージリンの町で、エヴァンツはチベット仏教の古典『ヴァルド・ソドル』、つまり、『死者の書』と出会い、それを通訳を使って英訳させて、再編集して西側世界に紹介するという仕事をなしとげます。

今からみると、ずいぶんとおおような、誤訳だらけの訳だったようですが、しかし、この本が描き出す、死の前後の体験は、(いわゆる49日というヤツで、死後の49日間の間に死者の魂が生前の肉体を離れ、次のステージに移るまでの体験する真実を描いています)
ヨーロッパの知識人に大きな影響を与えました。オックスフォード大学は1931年にヴェンツに比較宗教学の博士号を授与しますが、ヴェンツはこの名誉ある学位を授与された最初のアメリカ人だそうです。

ヴェンツが紹介した、チベット仏教のこの経典は、西洋の文化では知られることのなかった、別な意識状態を詳細に記述しており、当時の知識人に大きなショックを与えました。
チベット仏教は、このとき、変性意識を扱う「魂のテクノロジー」としての性質をあらわにして、宗教学よりも、心理学や精神医学に影響を与えていきます。

具体的には1930年代にはユングが、60年代になるとLSDなどの体験との類似性から前衛的な精神科医などの関心をひくようになっていくのですね。

いわゆる「ニューエイジサイエンス」やら「トランスパーソナル心理学」にこの本が与えたインパクトは絶大でした。
そして、西洋文明にあきたりない、もっといえば、西洋近代の問題点を意識した人々が知恵を求めてこのチベットの本に目を向けるようになったわけです。

もっとも日本においては、そこから生まれた熱狂が変質して、オウム事件へと最悪のかたちで変容していった不幸な事実も忘れてはいけないのですが。

最近では、日本語でも原典訳の『死者の書』があり
また今日届いたイギリスの精神世界専門書店のカタログにはついに
原典からの英訳も出たらしく、いつかちゃんと読まないとなあと。

また長くなってしまいました。
ケルトとチベット研究を結ぶ、なんとなく不思議なリンクがあったので
ご紹介してみました。生と死のリンクの日であるハロウインに現れる妖精たちの研究から出発したヴェンツがチベットにたどりつき、それがハロウインの直前に
チベットイベントのことを紹介しようとしている僕の机の上にある、というわけです。
なんか不思議ですよね。

では、チャリテイイベントもよろしくお願いします。

Posted by 鏡リュウジ  日記・コラム・つぶやき |

October 24, 2005

10月23日 ハロウインは魔法と占いの季節

太陽は蠍座へと入り、ハロウインも近いですね。
木星の蠍座入りも直前。

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かぼちゃお化けジャック・オー・ランターンやコスプレ用の魔女の衣装が
所狭しと並ぶ新宿LOFT、渋谷LOFT各店で
「幸福の鍵☆手帳」と「心に効く魔法の杖 プチ」発売を記念して土曜日に
サイン会
を行いました。

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あいにくのお天気のなか、たくさんの方にきていただいて、とってもハッピーです。

ハロウインは、伝統的に「この世とあの世を隔てるヴェールが薄くなるとき」だとされています。

ケルトのsamhainにその起源があるともいわれている祭日ですが、太陽運行の上では太陽が冬至と秋分の丁度真ん中に到達するときに設定されています。

古代異教や現代の魔女運動研究の権威、ブリストル大学のロナルド・ハットン博士の著書
("The Station of the Sun; A history of the Ritual year in Britain" Oxford Univ.Press1996)は古代英国の祝祭日とその風俗を詳しく紹介したものですが、そのなかのSamhainの項目を開くとこうあります。

「ハロウインは、夏の終焉と冬の始まりを告げる、ケルト人の祝祭Samhain(sow-inと発音する)から発展してきた。
ケルト人にとってソーウインは1年、季節のサイクルの始点であった。ソーウインは、彼らにとってすべてのものと始まりと終わりを記念するものだった。
自然に目を向けると、樹からは葉が落ちる。冬と死がやってくるのだ。このときにこそ、ケルトの人々は生と死の周期を理解しようと、神々や女神に目を向けるのである。」

生と死が接近する、冬の季節の始まり。
だからこそ、この季節に超自然的なことが起こると、ケルトの人々は信じました。
ハットン博士の別な著書、The Pagan Religions of the Ancient British Isles
(古代ブリテン諸島の異教)にはこのような印象的な記述があります。


「どのような文献を見ても、4つの祝祭のなかでもっとも重要なのは11月の新年の始まりであるソーウインである。このとき、民族は集会を開き、支配者や戦士たちが集まって定めを作る。

また、人間界に神的なもの、超越的な存在の介入が起こりやすいときでもある。ソーウインにおいて、英雄や王族はしばしば、死にさらされたり、魔法をかけられたりする運命におかれる。

精霊たちや怪物や妖精が首都を、物理的なかたちで、あるいは呪いをもって襲う。神的な女性たちに人間が求婚することもあった。・・・魔法のかかった宝物が王族に贈られたり、逆に、奪われるのもこのときだ。

ここで強調しておきたいのは、夜ばかりではなく、この時期には昼間においても、このような出来事が起こる、ということである」


白昼にすら、魔法が起こるのがハロウイン。
ヨーロッパでは、さまざまなおまじないや魔法がこの時期に行われているといいますが
みなさんもタロット占いなどしてみると、いつも以上に当たるかもしれません。

もちろん、ソウルフル・タロットなどお試しあれ。(なんてちゃっかり宣伝)

でも、実は僕も自分のことを占うのはハロウインのときと、
誕生日。みなさんも、ぜひ。

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October 24, 2005

10月22日 至福の香り パーカー100点のワインとは??

現在発売中の「GQジャパン」誌の企画で、
とーってもいい思いをさせていただきました。

かの有名なワイン評論家、ロバート・パーカー氏が
100点満点をつけたワインを試飲
させていただいたんです。

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そのときの様子は、今書店に並んでいる
「GQジャパン」誌に出ていますので、
ぜひごらんください。
これはそのときの様子。

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いっしょに写っている美人はモデルで美容ジャーナリストのSAKURAさん!!
開けていただいたのは、シャトー・ヌフ・デュ・パプ・キュビエ・ダ・カポと
舌をかみそうな銘柄の98年とハーラン・エステイト01年。

コルクを抜いたそのとき、なんともかぐわしい香りが
スタジオにたちこめて…。

ふだんはお気軽なワインばかりあけている僕には
ちょっとぜいたくすぎる瞬間でした。
写真もカッコよく撮影されているのでぜひごらんあれ。

日ごろのお勧めワインは、「ブルータス」の今回のワイン特集で
紹介しています。みてくださいね。

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October 21, 2005

10月21日  読売新聞

今日、10月21日の読売新聞夕刊 文化欄にコラムを書かせていただきました。
読売をとっておられる方はごらんくださいね。

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October 21, 2005

10月20日 貴重な洋書

イギリスでは、『ユングと占星術』の著者マギー・ハイドさん、
そしてそのご主人で英国占星術世界の重鎮の一人
(今回の英国占星術協会での栄誉ある「チャールズ・ハーヴェイ賞」の受賞者)ジェフリー・コーネリアス先生のご自宅に泊めていただきました。

一泊だけでしたが、久しぶりに、ご夫妻のドーバー海峡ぞいの
素敵なコテージで一夜を過ごし、英国の占星術シーンの裏話からちょっとアカデミックな話題まで夜を徹してお話できました。

ジェフリーさんはとにかく向学心も指導精神も旺盛で
あれこれ朝まで質問してくださって、しかも僕のたどたどしい英語におつきあいくださり、毎回恐縮。

話題はユングのシンクロニシティ論から伝統的占星術まで及んだんですが、今回「日本にもって帰っていいよ」とお貸しいただいたのが
The Last of Astrologers, reprinted from the second edition of 1715 with Notes and Introdction by Katharine M.Briggs。

book001 ウイリアム・リリーとは、17世紀のイギリスで活躍した大占星術家であり、ホラリー占星術の包括的な教科書「クリスチャン・アストロロジー」の著者として占星術をやっているものなら知らぬものはありません。
そのリリーの、貴重な自伝なの復刻です。

現在、もちろん絶版。そして、お気づきの方もおられるかもしれませんがこの本を復刻し、序文を書いたのが、故キャサリン・ブリッグス博士。イギリスのフォークロア学会の元会長であり、日本では英国の妖精研究で知られている方です。明星大学で教鞭をとられた、
僕の敬愛する井村君江先生がブリッグスの妖精研究の書物を
精力的に翻訳されているので、ファンタジーや神秘世界の好きな
方はブリッグス博士の名前はきっときき覚えあると思います。

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このブリッグス博士が、17世紀の占星術家に興味をもっておられたというのは、ちょっと驚きではありませんか?

リリーのこの自伝をぱらぱら読むと、厳格にルールを適用して「科学的」にホロスコープを読む模範のように思われている彼が、実は魔術や妖術の世界にも深くかかわっていたことが伺われます。

リリーは、水晶幻視や探知棒や妖精と話すことができる人々とも
知己でした。この時代、つまり科学革命の成果が一般の人々にまで達しながらも、啓蒙主義の18世紀以前、そして市民革命前後の時代の人々の占星術や魔術、妖精信仰の事情は錯綜しています。

リリーは、ある婦人の遺品のなかにあった、魔術の護符を送られているのです。これには、惑星の天使の力を引き出す印形(シジルといいます)が刻まれていました。

貴重な本なので、日本までお借りするのははばかられると
ジェフリーさんには申し上げたのですが、「キミは絶対この本を読まなければダメだ」と強くいわれてほとんど無理やり持たされてしまいました。

必要なところをコピーしたら、厳重に封してお返ししなければ。
というか、この17世紀の英語をちゃんと精読しておかないと
今度お会いしたときに顔向けできない、というのがコワイけど・・・。

さてさて、こんな本を読んでいたら時間がありません。
占いの原稿かかなきゃです。

土曜日には新宿と渋谷のロフトでサイン会もあります。
サイン会でお会いしましょう!!


写真:リリーの自伝の復刻。キャサリン・ブリッグス博士の手による
写真:ブリッグス博士の著作の邦訳。『妖精事典』『妖精の国の住人』。妖精学の大成者、井村君江先生らの訳です。

Posted by 鏡リュウジ  日記・コラム・つぶやき |

October 20, 2005

10月20日 星を読むとき、そこに読み手が現れる

ホロスコープを読むのは、怖い。

それは、未来のことがわかりすぎてしまうから、とか相手に影響を与えてしまうから、
ではない。むしろ、ホロスコープを読むと、相手に自分のことがわかってしまうから、なのだ。

どんな占い師や心理学者でもいいけれど、実は星や夢を解釈するときに
映し出されてくるのは、相手のことだけではなく、実は自分自身の価値観やら心理の構えなのだ。

思い出すのは、あるプロ向けのセミナーでのこと。
こんな質問が、プロで鑑定されている人から出た。
「鏡さんは、星占いの記事で、牡牛座の人は転職もいいかもしれない、とおっしゃっていましたがなぜですか?」

当時、変化の天王星が牡牛座から見て第10ハウス(仕事のハウス)を通過していた。
これは「仕事の変化」を象徴するものと読めるので、僕はそう考えたのだ。

「天王星のせいですか。でも、天王星は凶星でしょう。しかも天王星は牡牛座には90度の
凶角となりますよね。これは転職は悪いのではありませんか」

その占い師の方はそうおっしゃったのだ。
この質問に僕は驚いた。
この年では木星や土星が調和的な配置にやってくる、あるいは土星が牡牛座を抜けるといった別なファクターはあるにはあった。占星術はそんなに単純なものではない。
実際の出生チャートを用いる占星術では、もっともっと別な要素もあるし、
技術的なことでその方を論破することはできたかもしれない。

しかし、僕はこのとき言葉を失ってしまったのだった。少し恥ずかしくて。罪悪感も感じて。
本質的なシンボリズムを考えたときには、結局、問題は
「第10ハウス(仕事)にたいしての天王星(変化)」をどんなふうに読むか、あるいは感じるか、ということにかかってくる。

どんなに複雑な技法を用いたとしても、結局、ホロスコープの読みは、つまるところ
星と星との組み合わせのシンボリズムをどう感じるかにかかっている

僕は仕事の上でのブレークスルーや革新というのは、何か新しい独立心を
はぐくみ、より自由な世界へのステップになりうるととっさに考えたのだが、しかし、そのプロの方は、現実の世界の厳しさもきちんと把握されていたのだろう。

どこかで僕は、単純に楽観的に星を読みすぎていたのかもしれない。
きままな一人暮らしをしている数年前の自分の世界観が期せずしてそこに出ていたのだ。
天王星は、神話的なイメージでいえば、神々の世界から火を盗み、人類に文明を与えたが、その結果、罰として岸壁に縛られ、死ぬことも許されず永遠に猛禽に内臓を
ついばまれるという運命を担わされたプロメテウスのイメージ(元型)であると、
アメリカの哲学者にして占星術家のリック・タルナスはいう。

既存の枠を飛び出し、乗り越えていく冒険につきまという危険ももちろんあるわけだ。
保守的になりすぎることも、冒険しすぎることも、問題をはらんでいる。その星のシンボリズムをどんなふうに生きるかは、その人にかかっている。どちらが正しい、とはいえないのである。

あるシンボリズムを、どんなふうに読むか。そこには自然に、占い手自身の価値観が現れてくる。
それ自体は悪いことではないし、避けられることでもない。
ほんの2,3行の星占いの文章のなかに、あるいは90分のみっちりしたカウンセリングのなかに、メッセージの発信者の裸がさらけだされてしまう。

人を見る目があるクライアントや読者なら、「ああ、この人の世界観はこんなかんじなんだな」と占い手のことを逆に読み取ることは難しくない。これは避けては通れない。
価値観が社会のなかで一元的だった時代なら、そんな怖さはなかったと思うけれど。
だからこそ、なるべくさまざまな価値観をのぞきたいなと思うし、それができれば、
もっと面白い星の言葉の解釈をお届けできるようになれるのに、と思うのだ。


と、僕の魚座に天王星が通過するのを感じながら、今日は気取ってかいちゃいました。
いつもこんなにシリアスに考えているわけはないんですけどね。

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October 19, 2005

10月18日 キャンペーン・サイン

今日は説話社さんとベルシステム24のスタッフの方と
月例会議。
ニフテイさんで展開されるキャンペーンについて
お話を伺いました。
僕の「ソウルフル・タロット」もプレゼントできるということなので
本にサイン。誰に当選するんでしょう??とこちらも楽しみ。

sign02

ところで、サインをするのにもだんだん慣れてきました。
実は僕は子供のころから字が汚くてよく叱られていました。

ほんとに自分でも読めないときがあるし、
げらを校正するときでも、本当に編集者泣かせなんですよ。

こんな僕がサインするっていうんだから
ずいぶん長い間、なれずに恐縮したりしておりました。

ま、これも味ではないかと。
サイン本が当たった方、あるいはサイン会に来てくださる方、
こんな「味のある」サインを楽しみにしていてくださいね。

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October 19, 2005

10月18日  幻想の東洋

「ちくま学芸文庫」は、僕の好きな文庫シリーズです。

もう最近、端から買わなくっちゃというシリーズが目白押しなんです。

ワールブルグという、ものすごい美術史家がいるんですが
そのワールブルグ本人やらその人が率いた同じ学派の美術史家たちは
占星術や錬金術に新しい光を当てました。日本では70年代から80年代に
大いに注目を集めたのですが、その学派の本も次々に文庫になっている。

クリストファー・マッキントッシュの薔薇十字主義の解説書も
ルネサンスオカルトの解説書も「魔道」の大先達であり
言葉の錬金術師といわれた日夏耿之介の『サバト怪異帖』も上田秋成の『雨月』も。

そして今月の新刊は、彌永信美先生の『幻想の東洋』全二巻
実は僕、彌永信美先生のファンなんです。

この本は、もともとは僕の大学生のころに出たんですが
夢中になって読んだのを覚えています。
ヨーロッパの人々が、「オリエント」に抱いた
憧れと恐れ、そしてその表象(イメージ)が、実際にコロンブスを
東洋へ向かわせ、宣教師たちを送り出し、植民地を作り上げていった
プロセスを、それこそ魅惑的な素材を使って描き出しています。

膨大な資料、とりあげられる、魅惑的な題材に夢中になったのは、
当の著者自身が厳しく批判しようとしている、わが内なるエキゾチズム趣味のせいなのでしょうけれど。

文庫版には、「近代世界と『東洋/西洋』世界観」があらたに収録されています。

地球には物理的には南北はあっても、東西は本来存在しない。
しかし、古代から西洋の人々は真理の源、あるいは蛮族の地として
「東洋」をイメージしてきました。タロットはエジプト起源であるという
今なおタロット占い師をとらえてやまない神話は、まさにその典型。

重要なことはそうしたイメージが実際に歴史にフィードバックされ、
行動に移されることがあるということなのです。これには美しさも危険も
両方が含まれています。
ともあれ、この本に含まれているめくるめく魅惑的な逸話は
それだけで面白く、引き込まれてしまいます。

Posted by 鏡リュウジ  書籍・雑誌 |

October 19, 2005

10月16日 英国旅行

帰国後、たまっていた仕事を終えるのに精一杯でなかなか
ブログ、更新できずにごめんなさい。
サイン会に来てくださった方々、ありがとうございました。
お花をいただいたり、楽しく過ごすことができました。
盛況だったので、ほくほく。
今週末は新宿と渋谷でもありますから
よろしくお願いしますね。

さてさて今日はイギリスでの占星術大会の様子をちょっとご紹介。
9月終わりから10月はじめにヨーク大学で開催された
英国占星術協会の大会では、ヨーロッパ各国から
一流の占星術家たちが集まってさまざまな発表を行いました。

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写真は、拙訳『サターン』『占星学』の著者であるリズ・グリーン博士の発表の様子

york01
また、ヨーク大学のキャンパスはとてもきれいだったので、その様子も
ご紹介しましょう。(池がきれいでしょう?)

また、ロンドンのオカルト専門書店ではどっさりと本を買い込んできたのですが
(古書もおおくて。これもまたそのうちご紹介しますね)

本以外の珍品として「ウイジャ盤」もゲットしたのでご紹介。

ouija

アルファベットやイエス、ノーが描かれたボードと
その上をすべるハート型の板がセットになっています。
とどのつまりはこっくりさん。
西洋版のこっくりさん、というとわかりやすいのですが、
実は日本のこっくりさんというのは、欧米のこのウイジャボードが
原型なんですよ。だから正確には、ウイジャボードこそが
日本のこっくりさんの源流。
面白いでしょ?これは1960年代にアメリカで作られたもので
もう生産されていないレアものなんです。映画「エクソシスト」で少女に悪魔がとりつくきっかけになったのは、このこっくりさんボード遊びだったように
記憶しています。西洋ではこっくりさん遊びは、日本以上に危険なものだと考えられているようですね。

今ではエンジェルボードとかサイキックボードなんて原理は同じでも呼び名の上で「悪魔的」なものを脱色したような品も売られています。

ちなみに、今日本で話題によくのぼる「守護霊」という概念は、
日本には伝統的にはありませんでした。これはアメリカで19世紀に生まれ、イギリスやフランスで発展した近代スピリチュアリズムと
日本の伝統的な祖霊・先祖崇拝が結びついて誕生したものなんです。日本の「伝統」だと
思われているような発想でも、実は案外新しいものがたくさんあるわけです。

もっとも、こうした概念や単語の「発明」と、霊が存在する、しないとはまったく別問題です。
僕自身は、霊の存在にはわからないとしかいいようがないけれど・・・。

hotel

あ、ロンドンではちょっと贅沢な部屋に泊めていただいたので、部屋もご紹介。(散らかっててごめん)
オーランド・ブルームもお泊りになったという、ロンドンのホテル、ブレークスです。

Posted by 鏡リュウジ  日記・コラム・つぶやき |

October 13, 2005

10月11日 無事に帰国、そしてサイン会

英国から無事に帰国しました。
久しぶりのイギリスでは
英国占星術協会の大会に出席したり
ロンドンで取材をしたりともりだくさん。
しかも今回はイギリスでも
ほんとにおいしいものを食べ続けました。
詳しくはまたブログに書きますね。
英国の好景気を肌で感じましたよ。

さて、帰国して早々なんですがサイン会があります。
詳しくはこちら。
ぜひお会いしましょうね!!

○サイン会タイトル

「幸福の鍵☆手帳2006」&「心に効く 魔法の杖 プチ」発売記念

鏡リュウジさんサイン会

○サイン会概要

■日時・会場

10/15(土)17:00~ 横浜ロフト Aゾーン文具売場

10/22(土)14:30~ 新宿ロフト 6階文具売場

10/22(土)17:00~ 渋谷ロフト 1階

■参加方法

各店カウンターにて『幸福の鍵☆手帳2006』または『魔法の杖』シリーズをお買い上げの先着100名さまに整理券を配布中です。  

◎イベントの日時・時間については急な変更等ある場合がございます。

◎定員になり次第、整理券の配布を終了させていただきます。ご了承下さい。

■発売書籍について

『幸福の鍵☆手帳2006』

鏡リュウジさんがプロデュースした初のダイアリー。「2006年をハッピーに過ごすために」をテーマに、鏡リュウジさんが書き下ろした1日1つ、計365のメッセージ入りダイアリーです。

『心に効く 魔法の杖プチ』

明日はもっと幸せになれる? そんなときはこの本を開くと答えがあります。古来からの由緒正しい占い「書物占い」を現代向けに再現。人気の「魔法の杖」シリーズ第3弾

Posted by 鏡リュウジ   |

October 05, 2005

9月28日 渡英

なんだかばたばたしているんですが
ちょっくらイギリスにいってきます。
英国占星術協会の大会にも参加。
テレビや雑誌のクルーもいっしょですがひさしぶりの
イギリス。しばらくブログ更新できませんが
また10月上旬ごろから再開しますので
またきてくださいねーーー。

Posted by 鏡リュウジ  日記・コラム・つぶやき |

October 03, 2005

9月26日 江戸の妖怪革命

こないだのブログでお話した、「新妖怪談義」で1冊の本が強く推薦されていたので、昨日購入。

積読の本があるのにまだ買うか、と
呆れながらゲット。しかし、読みやすい文章とあまりに
面白く明快なトピックと論旨なので一気に読みました。
youkai01

あちこちの新聞でも話題になった本なのでご存知かもしれませんが、
その本は『江戸の妖怪革命』香川雅信著 河出書房新社 です。
僕よりもひとつ年下の気鋭の学者の方の手による本なんですが
いかにして「妖怪」がキャラクター化されていったかを
実に面白い資料を縦横に用いながら明快に語ってくださっています。そもそも、「妖怪」なるものはキャラクターというか命名、形象化されざる一種の「体験」であった。怪異として存在していた。

不可解で不気味な現象はしかしそのままではおき去ることは難しく
それに名前をつけて一応の説明とした。狐つきなどはその例です。

狐つきの現象は説明できても、取り付く狐は本来、どんなものかは説明する必要もないものだった。お稲荷さんのキツネのようなかたちに形象化されるのはずっと後のことなんですって。

僕の言葉に翻案すればそれは純粋に元型的体験であったわけです。しかし、今度は説明のための概念が形象化され、さらには収集されて独自の世界を構築し始めます。妖怪がまるで昆虫のように集められて分類されてゆく。江戸時代にはそうした、フィクショナルな妖怪の世界を純粋に楽しむことが行われ始めた。妖怪図鑑のようなものが江戸にはあり、完全に文学作品としての「怪談」が現れる。

ポケモンのような妖怪図鑑にお化け屋敷としての文芸の出現、というところでしょうか。

ところが今度は近代になって人間の「内面」にコントロール不可能な不気味なものが発見されはじめ、霊的なものと地続きな「私」が登場する。外の世界にいた妖怪は完全にフィクションと認知され、茶化される対象になったのに、今度は妖怪的なもの、あるいは聖なるものが「内面」に発見されるようになっていったのが現代だと著者は分析します。

霊感者の登場や前世への期待などなどがそう。超能力信仰がそう。「こころの時代」の功罪ですね。

(朝方、寝ぼけながらこの要約をかいているので
そうとう乱暴に圧縮しています。わかりにくいのは僕のせい。ぜひ原著を読んでくださいまし)

心理占星術や深層心理学そのものは、こうした「内面の妖怪化」に
寄与してきた経緯は確かにあるでしょう。

しかし、それを単なる自分の肥大だと認めるつもりは、僕にはありません。すでに僕たちは心の中身が大事だと思うアイデンテイテイを獲得してほとんどの人がそれを生きているわけですから、それをどんなふうに生きていくか、ということが問題なんだと思います。

しかし、実に面白く、示唆に富む本でした。興奮してあっという間によんでしまいました。
ぜひみなさんもチェックしてください。

Posted by 鏡リュウジ  書籍・雑誌 |