10月20日 貴重な洋書
イギリスでは、『ユングと占星術』の著者マギー・ハイドさん、
そしてそのご主人で英国占星術世界の重鎮の一人
(今回の英国占星術協会での栄誉ある「チャールズ・ハーヴェイ賞」の受賞者)ジェフリー・コーネリアス先生のご自宅に泊めていただきました。
一泊だけでしたが、久しぶりに、ご夫妻のドーバー海峡ぞいの
素敵なコテージで一夜を過ごし、英国の占星術シーンの裏話からちょっとアカデミックな話題まで夜を徹してお話できました。
ジェフリーさんはとにかく向学心も指導精神も旺盛で
あれこれ朝まで質問してくださって、しかも僕のたどたどしい英語におつきあいくださり、毎回恐縮。
話題はユングのシンクロニシティ論から伝統的占星術まで及んだんですが、今回「日本にもって帰っていいよ」とお貸しいただいたのが
The Last of Astrologers, reprinted from the second edition of 1715 with Notes and Introdction by Katharine M.Briggs。
ウイリアム・リリーとは、17世紀のイギリスで活躍した大占星術家であり、ホラリー占星術の包括的な教科書「クリスチャン・アストロロジー」の著者として占星術をやっているものなら知らぬものはありません。
そのリリーの、貴重な自伝なの復刻です。
現在、もちろん絶版。そして、お気づきの方もおられるかもしれませんがこの本を復刻し、序文を書いたのが、故キャサリン・ブリッグス博士。イギリスのフォークロア学会の元会長であり、日本では英国の妖精研究で知られている方です。明星大学で教鞭をとられた、
僕の敬愛する井村君江先生がブリッグスの妖精研究の書物を
精力的に翻訳されているので、ファンタジーや神秘世界の好きな
方はブリッグス博士の名前はきっときき覚えあると思います。
このブリッグス博士が、17世紀の占星術家に興味をもっておられたというのは、ちょっと驚きではありませんか?
リリーのこの自伝をぱらぱら読むと、厳格にルールを適用して「科学的」にホロスコープを読む模範のように思われている彼が、実は魔術や妖術の世界にも深くかかわっていたことが伺われます。
リリーは、水晶幻視や探知棒や妖精と話すことができる人々とも
知己でした。この時代、つまり科学革命の成果が一般の人々にまで達しながらも、啓蒙主義の18世紀以前、そして市民革命前後の時代の人々の占星術や魔術、妖精信仰の事情は錯綜しています。
リリーは、ある婦人の遺品のなかにあった、魔術の護符を送られているのです。これには、惑星の天使の力を引き出す印形(シジルといいます)が刻まれていました。
貴重な本なので、日本までお借りするのははばかられると
ジェフリーさんには申し上げたのですが、「キミは絶対この本を読まなければダメだ」と強くいわれてほとんど無理やり持たされてしまいました。
必要なところをコピーしたら、厳重に封してお返ししなければ。
というか、この17世紀の英語をちゃんと精読しておかないと
今度お会いしたときに顔向けできない、というのがコワイけど・・・。
さてさて、こんな本を読んでいたら時間がありません。
占いの原稿かかなきゃです。
土曜日には新宿と渋谷のロフトでサイン会もあります。
サイン会でお会いしましょう!!
写真:リリーの自伝の復刻。キャサリン・ブリッグス博士の手による
写真:ブリッグス博士の著作の邦訳。『妖精事典』『妖精の国の住人』。妖精学の大成者、井村君江先生らの訳です。
Posted by 鏡リュウジ 日記・コラム・つぶやき | 固定リンク
















