10月24日 チャリテイ、そしてケルトからチベットへ
もう今月も終わりですねーー
早いです。しかも僕の周囲では風邪が流行中。
みなさん、気をつけて。僕は風邪予防に
ユーカリのエッッセンシャル・オイルをたいています。
抗ウイルス効果があるそうですよ。
風邪の編集さんが見えたときには、
テイッシュに数滴つけてさしあげて
差し出します。すこーしですが喉や鼻がラクになるので。
もちろん、体質もあるので、無理のない範囲で試してみてください。
さて、今日はまたイベントのお知らせです。
11月11日に、NY在住の画家、藤田理麻さんが
中心となって行われるチャリテイ・パーテイが開催されます。
場所は東京、渋谷のBUNKAMURA。
チベットの孤児たちに絵本を贈る運動。
僕も実行委員になっています。会費10000円ですが
これは全額寄付されるということ。ちょっとお高いですが余裕がある方はぜひ。
僕もパーテイには顔を出す予定です。
桐島ローランドさん、YOUさんの朗読をふくめ
楽しい企画のアットホームなパーテイの予定です。
詳しくは、このホームページで。
http://www.bunkamura.co.jp/gallery/event/fujita2005.html
ところで、昨夜(というか朝方)寝る前に、
昔買った本をぱらぱら見ていたら、エヴァンツ・ヴェンツ著の
The Fairy Faith in Celtic Countriesが出てきて
思わず開いていました。ブログでもちょっと書かせていただいた
ケルトのSamhain(ハロウイン)のことを思い出していたので
このタイトルが目に入ったんですね。
で、チベットの孤児を支援するイベントのことを考えていたら、
ヴェンツの本が出てきて、面白いシンクロだと感じたので
少し長くなりますが、ヴェンツのことなど紹介させてください。
ヴェンツは相当面白いアメリカ人で、子供のころから不思議な世界に深い関心を示し、イギリスに渡ってからオックスフォードでケルト学を学びます。
ヴェンツは、文献に頼らず、自分の足でウエールズやスコットランドの妖精譚を収集して本にまとめました。この大部の著書は、その研究成果。
のちに東洋を広く旅する行動派としての一端がここでも伺えます。
ヴェンツは、この本の最後の「現代科学と妖精信仰」の章で
妖精の実在性も、科学的に証明できるようになるだろう、なんて
イっちゃったことをいっていて驚かされるのですが、この本が書かれた1911年ごろにはイギリスの知識人たちにも死後の世界や妖精を真剣に信じている人々がいたのですよ。
ちなみに、タロットの世界の普及の名作、ウエイト=スミス版が出たのも1910年。また、かのコナンドイルが本物だ!と思い込んだ、少女たちと遊ぶ妖精の写真が撮影されるのは、
その直後の1917年ごろです。
手元にあるヴェンツのこの本は94年に再版されたものですが、なんとテレンス・マッケンナによる序文が付されています。
マッケンナといえば幻覚植物(キノコ)とそれがもたらす変性意識の研究というアヤシゲな
活動で知られ、現在のトランスカルチャーなどにも深く影響を与えている人物。
妖精というと、なんとなく、安全無害な「オンナコドモ」の興味の対象物と思われそうなんですが、こんなところにとんがったカルチャーのマッケンナが顔を出しているとは。ここもまた、面白いつながりでしょう?
ところで、
僕の一世代前の先輩たちにとっては、エヴァンツはケルトよりも
チベットの精神世界の紹介者として知られていったほうがずっと通りが
いいでしょうね。おおえまさのり訳で出た、『チベットの死者の書』の
原点となった英訳を作って、60年代から70年代のカウンターカルチャーに大きなインパクトを与えたのは、このヴェンツなのです。
ヴェンツのクラスメートに、かのアラビアのロレンスがいて、ヴェンツはロレンスを頼ってエジプトに、そしてそこから足を伸ばしてインドにたどり着きます。
お茶にその名を残す、ダージリンの町で、エヴァンツはチベット仏教の古典『ヴァルド・ソドル』、つまり、『死者の書』と出会い、それを通訳を使って英訳させて、再編集して西側世界に紹介するという仕事をなしとげます。
今からみると、ずいぶんとおおような、誤訳だらけの訳だったようですが、しかし、この本が描き出す、死の前後の体験は、(いわゆる49日というヤツで、死後の49日間の間に死者の魂が生前の肉体を離れ、次のステージに移るまでの体験する真実を描いています)
ヨーロッパの知識人に大きな影響を与えました。オックスフォード大学は1931年にヴェンツに比較宗教学の博士号を授与しますが、ヴェンツはこの名誉ある学位を授与された最初のアメリカ人だそうです。
ヴェンツが紹介した、チベット仏教のこの経典は、西洋の文化では知られることのなかった、別な意識状態を詳細に記述しており、当時の知識人に大きなショックを与えました。
チベット仏教は、このとき、変性意識を扱う「魂のテクノロジー」としての性質をあらわにして、宗教学よりも、心理学や精神医学に影響を与えていきます。
具体的には1930年代にはユングが、60年代になるとLSDなどの体験との類似性から前衛的な精神科医などの関心をひくようになっていくのですね。
いわゆる「ニューエイジサイエンス」やら「トランスパーソナル心理学」にこの本が与えたインパクトは絶大でした。
そして、西洋文明にあきたりない、もっといえば、西洋近代の問題点を意識した人々が知恵を求めてこのチベットの本に目を向けるようになったわけです。
もっとも日本においては、そこから生まれた熱狂が変質して、オウム事件へと最悪のかたちで変容していった不幸な事実も忘れてはいけないのですが。
最近では、日本語でも原典訳の『死者の書』があり
また今日届いたイギリスの精神世界専門書店のカタログにはついに
原典からの英訳も出たらしく、いつかちゃんと読まないとなあと。
また長くなってしまいました。
ケルトとチベット研究を結ぶ、なんとなく不思議なリンクがあったので
ご紹介してみました。生と死のリンクの日であるハロウインに現れる妖精たちの研究から出発したヴェンツがチベットにたどりつき、それがハロウインの直前に
チベットイベントのことを紹介しようとしている僕の机の上にある、というわけです。
なんか不思議ですよね。
では、チャリテイイベントもよろしくお願いします。
Posted by 鏡リュウジ 日記・コラム・つぶやき | 固定リンク
















