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August 28, 2006

8月27日 冥王星問題、再び

冥王星の「降格」騒ぎも一段落。何度もいいますが
そもそも天文学上の「惑星」の定義と
占星術・伝統的天文学の上での「惑星」の定義は
別物です。

もし天文学上で「惑星」であることが占星術で使うための必要条件であるというのなら
本来地球の衛星である月や恒星である太陽を占星術で重視する理由もなくなってしまいます。
太陽も月も使わない占星術家が現れるなど、想像もできません・・・。


占星術というのはそれ自体が一種のユニークな解釈体系、宇宙観なのですから、まあ、いってみれば近代科学からみるとツッコミどころは満載なのですよね。

しかし、そのような「ツッコミどころ」というか破綻を露呈しつつも、占星術の生命力は衰えることがない。
文化の継続力のことを遺伝子になぞらえてドーキンス博士は「ミーム」と名づけましたが
占星術というミームの強度は相当なものでそのことが重要だと思います。
そのミームということからいっても、冥王星が惑星から小天体、矮星へと「降格」されたからといって冥王星を使わなくなる占星術家はほとんどいないのではないでしょうか。

もっともこれまでも占星術家のなかにはトランスサタニアンなど使わないという人もいたわけですし、ウラニアン天体などそもそも存在しない星を使っている人もいるわけで…。
いくつかのメデイアからの取材を受けましたが、なんとなく、占星術がかかえている整合性のなさに突っ込みをいれて揶揄したいという意図が見え隠れしているものもあり逆にこちら側も慎重さが必要だなあと感じました。


僕個人としては、占星術という狭い範囲を超えて、最近の天文学の知見がもたらすダイナミックな宇宙観が一人一人の人生観や世界観に与える影響のほうを重視したいと思っています。

だってそうでしょう?地球が中心にあってその真ん中に教会があって完全な秩序のある惑星軌道が神の定めたように回っている、という中世的な宇宙観は、無意識的なレベルで封建制度を支えてきました。

ガリレオが裁判にかけられ、無限宇宙論を唱えたジョルダーノ・ブルーノが火刑に処されたことはまさしく宇宙観と社会制度との間の強いつながりを示しています。
政教分離の現代ではそんなことは無縁、と思われるかもしれませんが、現代でも宇宙のイメージ、世界のイメージは人生を考える上でのルート・メタファーであることには変わりないわけで、ダイナミックな太陽系イメージが僕たちの人生観を深いところから揺り動かすことは十分にあると思います。

遠い太陽系のかなたから(エッジワース・カイパーベルト)ときおり、彗星や小天体が入り込んでくるという動的な世界。それと人生観が重なるとどんなイメージが生まれるのでしょうか。

ところで、太陽系を離れたところで、宇宙の質量のかなりの部分を占めるであろう、
「ダークマター」(暗黒物質)の存在が確かめられたかもしれない、というニュースも
ありました。こちらのほうが冥王星の定義問題なんかよりもずっとビッグニュースだと
思うんだけどなあ…。

さて、明日からアイルランド出張です。
世界の女神信仰者ネットワークの中心Fellowship of ISISや巨石遺跡など取材してきます。トランジットで英国にも降りますが英国占星術協会の年次大会にも出席する予定。
そのご報告もできると思いますので、また帰国後に。
それまでに連載原稿いれていかなくちゃ・・・。

Posted by 鏡リュウジ   |

August 25, 2006

8月25日 ザッツ・マリンバ!!

今日は、最近のお気に入りのアルバムをご紹介。
マリンビスト(マリンバ奏者)SINSKEさんの
サード・アルバム、「ザッツ・マリンバ」です。

Marimba

去年だったか、六本木ヒルズのツタヤで
面出しになっていたSINSKEさんのセカンド・アルバムを
手にしてから、このアーテイストのことはずーっと気になっていました。
そうしたら、僕も講座をさせていただいている朝日カルチャーセンター新宿で講座をやっていらしたことが判明、思わず参加、
それからライブにお招きいただいたり、ご縁ができました。
ご本人もすごく気さくな素敵な方です。

マリンバのライブは初めて見たんですがダイナミックにバチを振るうその姿は、もう一種の「競技」ですな。

セカンド・アルバムはマリンバをクラブミュージック風にアレンジした、すごくクールな作品だったんですが、今回のアルバム「ザッツ・マリンバ」はマリンバらしさを前面に押し出した仕上がり。

西アフリカをそのルーツとするマリンバは、ピアノのようにメロデイを作ることもできるけれど、打楽器としての特性も失っていない。
マリンバってアフリカ的野生とヨーロッパの洗練が不思議に調和した魅力的な楽器だと思うわけです。

今回のアルバムには選曲も「アメイジング・グレイス」なんて、なじみのメロデイもはいっていてサービス精神にもあふれていて、余裕を感じるな。

牡羊座に月(ビート!)のある僕にはなにか響くんですよね。
夏に聴くにはまさにもってこい!
おすすめでございます。
前にもご紹介しましたがSINSKEさんのブログはこちら。

http://yaplog.jp/sinskemarimba/

Posted by 鏡リュウジ   |

August 21, 2006

8月21日 ルターの時代の占星術

待ちに待っていた本の翻訳がでました。
ヴァールブルグ著作集6 『ルターの時代の言葉と図像における異教的=古代的予言』
伊藤博明監訳 ありな書房です。

Ruter

これは、宗教改革時代のの占星術、前兆としての怪異(彗星の出現、奇形の豚の誕生)などをめぐってルター、メランヒトンといった知識人たちが
どのような態度をとったかを論じた、かのワールブルグ(ウオーバーグ)の
論文です。

著名な占星術家ガウリクスが描き改ざん(占星術家なら修正、というでしょう)
したルターのホロスコープなど、実に貴重なことが一次資料から引用されています。
偶像崇拝を徹底批判したルターは、一方で悪霊や悪魔の存在は信じていましたが
占星術にたいしては否定していました。しかし、その盟友であるメランヒトンは
占星術の熱心な信奉者であったのです。

とくにメランヒトンの書簡は当時の占星術をいきいきと現在に伝えています。
また、ワールブルグの以下のような記述は、占星術というアートがもつ
魅惑的な両義性を見事に表現していて、僕たちの心に響くものがあります。
占星術を一義的な体系だと信じている一部の占星術家たちに読ませたい。

「争う余地のない事実として、論理的には互いに競合しあうはずの
二つのまったく異質な精神が、占星術においてはひとつの『方法』へとまとめあげられていた。すなわち、抽象的思考のもっとも洗練された道具である数学と、
宗教的動因のもっとも原初的な形態であるダイモーン的恐怖とがひとつに結び合わされていたのである。占星術師は、一方では宇宙を線的システムとして、明瞭に調和を保ったもととして把握し、地球に対する恒星や惑星の位置を正確に、かつまえもって算定するすべを心得ていたが、他方では、その数学的図表を前にして彼の心を揺さぶったものは、これらの星辰の名称に対する迷信的な、先祖帰りを起こしたかのような恐怖であり、なるほど彼はそれらを数学的記号のように扱いはしたが、それらは本来畏怖すべきダイモーンであった」

ここでの迷信的恐怖、という言葉を聖なるものへの畏怖、というふうに書き換えれば、
これほど上手に僕自身の占星術観を言い表した言葉はありません。

ともあれ、魅惑的な資料に満ちたこの本はプロもファンも、手に取っていただきたいですね。

Posted by 鏡リュウジ   |

August 17, 2006

8月17日 惑星の定義

昨日、いくつかの新聞社から電話取材が相次ぎました。
国際天文学連合が「惑星」の定義を変える、
そこで太陽系で惑星とみなされる天体が増えることになるが
占星術には影響があるのか、という問い合わせでした。

占星術では、天文学では恒星である太陽、地球の衛星である月も
「惑星」としています。
もともとPlanetとは「さまよう星」という意味で、
星座を形成している星たち(恒星)の間を縫って動く天体のことを
指していたわけです。これはいわゆる7つの天体でした。
天王星の発見は、しかし、伝統的な宇宙論を打ち壊し
人類に新しい宇宙像を見せることになりました。
そこから占星術は大きく変化していきます。

現在ではカイロンという彗星のような星も、あるいは何万もある
小惑星もホロスコープに書き込む人もいれば、
伝統的な7惑星だけで十分だという人もいます。
天文学の発展の速度に占星術の解釈がおいついていない、
というのが実情でしょう。
コンセンサスはとれそうもありません。
あちこちでいっていることですが占星術は精密科学ではなく
アートであって解釈体系なので
人によって立場が違ってくるのは当然です。
astrologyというよりもastrologiesと複数形でいうほうが
正確だというのが僕の意見。

しかし、いずれにしても天文学の発展は僕たちに太陽系や宇宙の
新しい姿を見せてくれるわけで、
そのイメージがフレッシュなインスピレーションを与えてくれるのは確か。
そこから豊かな洞察が生まれてくることは間違いありません。
今後もニュースからは目をはなせそうもありませんね。

なお、今回のニュースはこちらを参照。
http://www.asahi.com/science/news/TKY200608160317.html

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August 16, 2006

8月13日 平城京・平安京

「ソロモン流」みてくださいましたか?
地方によっては見れないところもあるようなんですけれど、
短期間の取材でまとまった番組にしていただきました。
宮本亜門さん、角田光代さん、TAKAKOさん、さとう玉緒さん、グロリアス星子さんなどなど
コメントくださった方々にも感謝です。

奈良では三輪山の神社に参拝してきましたよ。
太古的な雰囲気が色濃く残っていて
京都とはまた違う霊的な雰囲気がありました。
今度はゆっくりといってみたいなあと
思っています。

写真は三輪山の独特の締め縄。
蛇信仰を象徴しているようです。

Nawa

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August 09, 2006

8月8日 盛夏

毎日あわただしくすぎています。ほんと、最近は自分史上で
一番忙しいんじゃないかと・・・。

京都での講演会はおかげさまで大成功。
1200名を超える方が高槻現代劇場に集まってくださいました。

占星術という現代の鬼っ子を知ることで
内なる異文化を知ることができるのではないか、
「占い」という視点と「科学」という二つの視点をもつことの
重要性についてお話をしました。

難しかったかなあと思うところもありますが、終演後のサイン会で
たくさんの方に「面白かった」といっていただいてほっとしています。
今週末は再び、奈良と京都で「平城京・平安京・摩訶不思議の宴」があります。
ぜひ、お出ましください。

摩訶不思議の宴の案内はこちら
http://homepage2.nifty.com/mono-gaku/


それから、それから。
現在、講談社の女性誌「フラウ」は恒例の占い特集号
僕もこれでもか、というくらい出させていただいています。
誕生日ごとの性格占い、精神科医の名越康文先生との対談、
また、大好評の角田光代さんを生徒役にしたホロスコープ解読入門講座などなど。
お見逃しなく。

さらに、この日曜のテレビ東京「ソロモン流」で特集してくださいます。
こちらもぜひごらんくださいね。

しかし、この番組、かなりきついスケジュールで撮っていただいているのですが
スタッフの方々が本当に熱心で、徹夜続きにきまっているのに
連日、笑顔を絶やさず、とてもよくしてくださっています。みなさんの気の配り方にも
はっとさせられることが多くて。
いつも思うのですが、人間、歳じゃないんですね。
見習うところばかりです。

Posted by 鏡リュウジ   |

August 04, 2006

8月4日 京都

早朝から京都入り。 いま新幹線です。 眠い目をこすりながら資料を読んでいます。
今日は貴船の川床でテレビロケ。

0804book

画像はリーパのイコノロギアという本。 ルネサンスの時代に流行した寓意画を集めたものでこれは100年はたっている版。 神田の北沢書店で購入。
タロットを生みだした水脈の一つです。

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August 03, 2006

8月2日 ラマス

もう8月ですね。梅雨も明けて
すごい日差し。暑いのはキツイけれど
あの亜熱帯のような湿度から解放されて
個人的にはすっきりしています。

人によって弱点となる気象条件があるとおもうんですが
僕は一番苦手なのは湿度かな。暑さ、寒さ、湿度、
ひとそれぞれの反応があるようですが、それもまた
一種の占星術だと思います。占星術のエッセンスは
外界と内界とのかかわりですから
土地の力とか風土とか気候とか、
そういうものをちゃんと感じるということが占星術だと思うのです。
プトレマイオスの本など紐解くとほんと、そう思う。

さて、昨日はルナサ、ケルトの4つの大祭のひとつ
(夏至と秋分の中間で現代の魔女のサバトのひとつ)
それにちなむわけではないんですが
夕方にはマドモアゼル愛先生と打ち合わせ、
そして夜はフラウの副編集長のIさんの誕生会をかねて
会食。親しい仲間内で飲んでいたんですが、
宮本亜門さんもお忙しいなかかけつけてくださいました。
ルナサだっていうの忘れてしまったなあ。

テレビのロケでいった洋書屋さんでまた貴重な本をゲット。
タロットのような寓意画の伝統の背景にある
図像集の代表である、リーパの「イコノロギア」の現物を買ってしまいました。
300年ほど前の本です。
古書の趣味だけは手を出すと生活が破綻すると重々、キモにめいじては
いるのですが…。またやってしまった…。
現物がきたら写真でアップしますね。

Posted by 鏡リュウジ   |