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October 31, 2006

10月31日 Trick or Treat!

ハロウインですね!
あちこちで売っている魔女グッズなんか買ってます。

ご存知の方も多いと思いますが、現在キリスト教のお祭りになっているハロウイン、もとは異教起源です。

秋分と冬至の中間にあたるハロウインはSamhain(サオイン)というケルトの新年でした。
この日には異界とこの世を隔てるヴェイルが薄くなりさまざまな不思議が起こるとか。

僕も小さな儀式を行うつもり!

仕事の報告では昨日はパックンさんと対談でした。連載しているアエラ・イングリッシュという雑誌にて。
テレビではよく拝見している方なんですが楽しい方!というだけではなく、実はすごく知的な青年。
大学では比較宗教学を専攻されていてKKK団のシンボリズムを研究されたとか。
どう考えても、人種差別主義で暴力的なあの団体にどうやって知的な人々が入っていくのか、そこにおけるシンボルの力を研究していたのだそう。
おもしろそうじゃないですか!!

また占いには懐疑的だというそのスタンスを保ちつつ、対話していこうとするその姿勢にも感銘を受けました。

ほんと、TVだけでは人ってわかんないなあ。

今日はこれから室井佑月さんと対談。

室井さんのエッセイも(ごめんなさい)初めて読んだのですが、文章もすごくお上手だし、共感できるところが大きくてテレビでの印象よりもずっとずっとimpressされました。

思うんですけど、TVというのは難しいメデイアですね。
どうしても軽いことを言っているように見えるし、TVだけ見ていると、誤解してしまうことも多い。
表情なども伝えるから、言葉ではとりつくろえない真実を伝えるということもある反面、短い時間で作らなければならないという制約上、伝達内容が制限されてしまう。独特の役回り、立ち位置のお約束というものもあるし。

なにをいまさら、と思われるでしょうが
こうやって最近TVの中の方とお話させていただくことで、本当にそのことを実感を持って感じています。
これもハロウイン的な「二つの世界」のヴェイルが薄くなるということなのかな。

Posted by 鏡リュウジ   |

October 30, 2006

10月29日 平成教育委員会

人気テレビ番組「たけしの平成教育委員会」
収録にいってきました。
なぜか回答者として呼んでいただいたんです。
もちろん、クイズ番組ははじめて。
ほかの回答者の方々はみなさんテレビで
おなじみの方ばかりなので、なんで僕なんかが
呼んでいただけたんだろうと思いつつ。
オンエアは11月5日の予定
さて、鏡は回答できているでしょうか?

新潮社の「小説新潮」では角田さんと対談形式で
文豪たちのホロスコープを読んでいます。
こちらもぜひごらんください。

では、よいハロウインを。

Posted by 鏡リュウジ   |

October 24, 2006

10月24日 プラネタリウムで会いましょう!

占星術といえば星。でも、都会にいると実際の夜空で星を数えるのはなかなか大変。
また、星の動きを体感するには「時間を縮め」て星の動きを早めるのが一番。
そこで登場、となるのがプラネタリウムです。

僕は子供のころからプラネタリウムが大好きでした。
京都の科学館にあったプラネタリウムに何度通ったことか。
そんな星とゆかりの深いプラネタリウムですが、公の科学教育施設として
用いられていることが多く、ちょっと昔前までは星占いは「ご法度」であることが
多かったのです。でも、最近は僕たちの活動も少しは認められたのか、
占星術を文化として楽しむことができるようになりました。

今回、僕、鏡のプロデュースで占星術の世界を本格的にご紹介する
プログラムを作成、公開が間近になっています。場所は池袋サンシャインの
プラネタリウム「満天」。

それを記念したトークイベントもあるのですが、な、なんとゲストは
石川直樹さん。
石川さんは世界最年少で世界のセブンサミット(世界でもっとも高い山)を踏破し、また海の世界でも数々の冒険をものにしていらっしゃるすごい青年です。
縁あって、以前からときどきお食事をしたりしているのですが今回のトークイベントに出演してくださることになりました。

でも、なぜ石川さんか。実は石川さんは、「スターナビゲーション」という、古代の星の航海術の復元にもとりくんでいらっしゃいます。羅針盤もなかった時代、古代の人々は星の動きと波のかたちから、信じられない距離を超えて縦横に海をカヌーで航海していました。その伝統的な航海術を体験、復活させている大変な方なんですよ。ほんと、一見、ごくふつうのさわやかでハンサムな青年なんですけれど・・・。

そんな石川さんを招いての星のトーク、
必見です。
詳しくはこちら。
http://konicaminolta.jp/about/manten/news/061001/index.html


また石川直樹さんのページはこちら。
http://www.straightree.com/

また、このプログラム公開にあわせて、僕のコレクション展も来年開催されます。
池袋サンシャインではクリスマスにほかにもさまざまなイベントがありますのでぜひチェックを。

Posted by 鏡リュウジ   |

October 23, 2006

10月22日 女神と愛と星と

最近の仕事のご報告です。

講談社VOCE誌では、以前にお話したアイルランド紀行が掲載されています。
コスメ情報主体の雑誌にしてはほんと、異色の記事です。
わがままをきいてくださった編集部の方に感謝。
その分、このブログをみてくださっている方にはしっかりとチェックしてもらわないと。

アイルランドにおけるケルト的キリスト教や、メインの取材先であった
女神信仰者のネットワーク「イシス友邦団」についてはまだまだお話したいことが
あるのですが、限られたスペースのなかではなかなか難しい。

でも、文字情報はもとより写真を通して雰囲気だけでも伝われば幸いです。

アイルランドは、荒涼とした地という印象がありますが
いまは経済状況はすごくよくて、人口も増大しているそう。
そんな「明るい」アイルランドが見れたのは、僥倖だったと思います。
次の旅はどこにしようかな、なんて考えていらっしゃるみなさん、
今のアイルランドはお勧めですよ。

それから、「マリークレール」誌で、香山リカ先生と愛と「スピリチュアル・ブーム」について対談が掲載されています。

LOVEを大特集しているこの雑誌のなかで、ちょっとさめたことをいってしまったかもしれません。
でも、見えない世界を扱うものとしては冷めることも同時に必要なのだと思っています。
これも短い誌面ではなかなか語りきれないことがあったのですが、来年には香山先生と朝日カルチャーセンターで、再度対談講座をさせてもらうつもりなので、そこでまたいろいろな話ができると思います。

それから!
最近、本当にあれこれお世話になっている
角田光代さんとの共著『12星座 恋物語』が新潮社から発売になりました。
さまざまな文学賞を総なめにされている角田さん。
その角田さんがつむぎだす、星座ごとの恋物語は、生半可な星占い師が書くコラムやエッセイなどよりもずっとずっとそれぞれの星座の気持ちの微妙な動きをとらえています。
占星術が好き、という人はぜひ手にとっていただきたい本。


そうそう、プライベートなところではあわただしい中、自分としては(あくまでも自分としては、なんだけど)まじめに通っているジムの効果があんまりなくて、がっかり。測定した筋肉量はこの春からまったく変らず・・・。(ということははじめてからまったく変わらないということだ)
体脂肪が落ちた分だけ体重は落ちてはいるんだけど・・・。
機械の診断では「低体重」「たんぱく質不足」なんて出ちゃうし、
体重は落ちなくてもいいんだ、つの。
ま、ハードにはやっていないから仕方がないんだけど、もうちょっとなんとかならないかなあ・・。
スパルタ式のトレーナーでもつけるべきなのか・・・。
みなさん、体ちゃんと動かしていらっしゃいます?

Posted by 鏡リュウジ   |

October 18, 2006

10月17日 秋晴れ

晴天が続いていますね。
木星と土星、海王星のTスクエアを目前にして、緊迫した世界情勢にあるというのが嘘のようです。
来年の占星術記事作製に追われていますが、みなさんはいかがおすごしでしょう。

週末の徳島での日本文化デザイン会議では、さまざまな方にお会いすることができました。
超一流料亭、青柳でのサロン風食事会では本当においしいものをいただきました。
日比野克彦先生やマリ・クリステイーヌさんといった、著名な方とごいっしょして緊張しながらの食事だったのですが、リラックスムードへ。

そして翌日も晴天に恵まれて吉野川のゆったりとした流れをみつつ、穏やかな気持ちになれました。
またサテライトセッションのあとでは、地元のみなさんの本当においしい手料理とおもてなしに感動。本当はそのまますべてのプログラムに参加したかったなあ。お招きしてくださった同志社大学の佐伯先生ほかみなさんに感謝です。

Saeki_1

※(写真)吉野川を見下ろす山にて 佐伯順子同志社大教授

そして土曜には東京に戻りその足で説話社さん主宰のセミナーで講演。
19世紀後半から20世紀、21世紀への占星術の歴史とメンタリテイの変化についておもいつくままにお話しました。ちょっと難しかったかな。
会場にはエミール・シェラザード先生や井上陽姿子先生といった大先輩のお姿もあり、
緊張しましたけれども。
さらに月曜には総合誌『中央公論』のインタビュー。現代のスピリチュアル・ブームを僕なりの角度から分析しました。かなり辛口になりました。
みなさんからの反応が楽しみなようなコワいような。

Posted by 鏡リュウジ   |

October 12, 2006

10月12日 日本文化デザイン会議

CSの番組「鏡リュウジの星ものがたり」がいったん一区切り。
年内最後の収録でした。
ゲストは石川三千花さん、そして高橋ミカさん。
初めてホスト役を務めさせていただいたレギュラー番組でしたから、いろいろ至らない点も多かったと思うのですが楽しくやらせていただきました。
また来年再開するかも、という声もちらほら聞いていますのでぜひ。放送は来年まで続きますので、ぜひごらんくださいね。

今日はこれから打ち合わせのあと、徳島入りです。
日本文化デザイン会議に参加させていただきます。
さまざまな方にお会いできるのでほんと、楽しみ!
こんな内容です。
http://www.jidf-tokushima.jp/outline.html

ご著書「遊女の文化史」などで知られる佐伯順子先生が、お声をかけてくださって参加することになりました。

佐伯先生は同志社大学で教鞭をとられておられて京都にお住まいなんですが、これまでお目にかかったことはなく、どうして僕のことなどご存知だったのか不思議。
でも、香山リカさんとはお親しいとか。
参加されるさまざまなクリエーターの方のお名前を見ると、何度かお目にかかったりしている方のお名前もちらほらあり、なんだか楽しくなってきました。

実は、この日、あやうくほかの仕事が入りそうだったところ
間一髪でセーフ!よかったあ。

土曜朝には戻って、その足で説話社のセミナー。
「ミステイ」でおなじみの説話社のセミナーなんですが、占いの世界をやや外から論じるものしようかと思っています。

「占星術と神秘主義」などというタイトルになっていますが、19世紀末から20世紀、そして21世紀の占星術をめぐる状況をあれこれお話したいと思っています。
そこには現代の何かが反映されていると思うからです。

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October 10, 2006

10月10日  複雑な心境

秋晴れの日。でもあわただしく毎日が過ぎています。
取材や収録が続いて。
そんななか土曜日の夜は友人とゆっくりとシングルモルトなど、味わうことができてよかったのですが。

ところで宮台真司先生、香山リカ先生と立て続けに対談でした。
いずれも昨今のスピリチュアルだとか精神世界ブームについて、というもの。
香山リカ先生から僕にはショッキングなことを聞かされました。

香山先生が教鞭をとっておられる大学の生徒たちに、「オーラがあると思うか」とか「水にありがとうというと、水の結晶がきれいな形になると思うか」といった質問をすると、過半数の生徒たち(というか大多数)が、イエスと即答するのだそう。

もちろん、僕も占いなんぞをやっていますから、いわゆる「オカルト」的世界にたいして肯定的であるのは当然です。また経験上、占星術が当たる(ないしそのように強く感じられる)のも事実として知っています。

また、京都育ちの僕は伝統的共同体のなかで祖霊信仰が重要な意味をもっているということもきちんと知っています。

けれど、同時に科学的な世界観の重要性や批判精神の大切さも知っているつもりで、だからこそ常識的、合目的合理主義がもたらす閉塞感にたいしての一種の解毒剤としてのオカルト的世界観の有効性を感じてきたし、さらには自分のなかにあるこの二つの世界観の葛藤に苦しめられたり、あるいは楽しませてもらったりしてきました。

占いをするということにたいしての一種の後ろめたさと、その後ろめたさがもたらす快感(社会にたいして斜にかまえられるということですから)が、僕たちの世代までの神秘思想愛好家にとっての隠された動機づけになっていたと思うのですが、最近はかなり構造がかわってきているのにびっくりしました。

そういえば、最近、「占い師になりたい」「セラピストになりたい」という若い人たちのなかには、あんまり葛藤を感じられないなあ。

あるいは年上の世代の人でも、すっとユング的世界にはまっている。

まあ、霊が存在するというのは人間にとって素朴な感覚だと思うので、それをてらいもなく肯定できるというのは、人間が正直になったということなのかもしれませんが、しかし、なんだか複雑。

70年代、80年代の占星術家たちは(欧米の)科学者から、あるいは宗教者からコテンパンに、そうほとんど完膚なきまでに論破されるという経験をしています。「頭の固い科学信仰者たち」というふうに相手をみなすことで逃避したり、「彼らとは関係がない」と否認する
人たちが多数派だったとは言え、心ある占星術研究家たちは、そのなかで苦しみながら今にいたる活動をしています。それが今の礎になっています。

下手をすると、真剣な占星術家がかえって科学教育の大切さを訴えかけなければならないという奇妙に転倒した状況が生まれているのかもしれません。
やっぱり複雑だ。。。

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October 05, 2006

10月5日 秋の映画二つ

公開になったシャマラン監督の映画「レディ・イン・ザ・ウォーター」。
その絵本の翻訳を担当させていただいているのですが
レディインザウォーターのサイトが完成いたしました。

http://remedia.co.jp/web/random/lady/index.html

こちらをごらんください。



また、ウッデイ・アレン監督の最新作
「マッチ・ポイント」のヒットを記念して劇場でトークショーを行ったのですが、
その様子は下にて。
http://www.cinemacafe.net/news/cgi/report/2006/09/789/

秋の映画、みなさんのお勧めはなんでしょう?



さて今日はさいたま市宇宙劇場にて
天文学講座のシリーズのひとつとして「占星術の歴史」を担当します。
市の主宰する市民天文学講座の一環で
占星術についておはなしできるというのはとてもうれしいこと。
ただただ、当たった当たらないという「占い」としてだけではなく
僕のようなものでも占星術を文化史のなかに位置づけて話せる
場が与えられたわけですから。

とはいえ、本来、学問として占星術の歴史を語るにはラテン語やギリシャ語、
そしてアラビア語が必須。そんな素養のない僕にできるのは、
イギリスの占星術世界をのぞき、実践も多少やっているという立場から
占星術の世界をご紹介する、ということくらいでしょうか。
受講生のみなさんといっしょに占星術の歴史を散歩してみたいと思います。

週末は朝日カルチャー新宿で宮台真司先生と
対談形式で現代のスピリチュアル・ブームについて。
その日はそのまま、某雑誌のために香山リカ先生とも対談が。

では、みなさん秋を楽しみましょうね!

Posted by 鏡リュウジ   |

October 05, 2006

10月4日  ハーブと占星術 カルペパーの業績

大阪の新阪急ホテルインターナショナルでのトークショー
そして京都での撮影を終えて東京に戻ってきました。
京都では真如堂、伏見稲荷を取材。
そのあと
連日打ち合わせと取材が続いていますが
そのなかでも小さな喜び。うれしい新刊との出会いです。

『本草家カルぺパー』ベンジャミン・ウリー著 高儀進訳 白水社。

Kalupepa


ハーブやアロマセラピーと占星術の深い関係については
ほんの少しだけTV「ソロモン流」の中でもご紹介したんですが
思いがけず大きな反響があって、驚きました。
ハーブと占星術の関係など、占星術に関心があるなら
周知のことなのですが、まだまだ一般には知られていないのですね。

ハーバリズムと占星術との関係がピークに達するのは
17世紀に活躍した占星術家ニコラス・カルペパーの仕事においてであります。
幸い、カルペパー自身の著書は今でも復刻のかたちで
入手することができ、その一端はエピソード的なかたちで拙書『占星綺想』(青土社)に
おいてもご紹介しています。

ただ、当時の占星医学やハーブのことを知るには、ガレノスなど伝統西洋医学の
知識が必要ではあり、なかなか厄介。
またそれ以上に当時の医療をめぐる社会状況を押さえておかないと、技法の上だけで
「伝統」占星術や医学さえ復興させればよいという妙な教条主義に陥ることにもなってしまいます。

本書は市民革命を背景としながら、徐々に制度化されてゆく「内科医」組織が薬剤師や外科医を凌駕してゆく様子を克明に描く歴史読み物で、そのなかでの占星術の立ち位置を垣間見せてくれる貴重な作品。
カルペパーの生涯が詳しく紹介されるのはわが国においては当然、初めてのことでしょう。

実のところ、お恥ずかしながら原書のほうも僕は持っていなかったので、翻訳が出てはじめてこの本の存在を知りました。本当に最近忙しすぎて勉強できていないなあと反省。

原著者はエリザベス女王に使えた伝説の魔術師ジョン・デイーの評伝もものにした
ベストセラー作家。こっちはもちろん買っていて、ヒースローで買ってその帰りの飛行機のなかで
ぱらぱらと読んだ記憶があります。

Queens

(写真)ウリーの筆力には定評があり、もちろん、本書でも
面白くカルペパーの伝記的情報を組み込んでいます。日本語で読めるのは本当にありがたい。

ただ、少しばかり不満が残るのはウリー本人の占星術理解です。
同時代の占星術家リリーとの関係など貴重な情報を載せてくれているのですが全般に「科学」「占星術」を明瞭に分けて考えすぎている嫌いがあるように思うのです。

本書では、カルペパーは占星術を二次的なものとして考えていて、同時代の占星術家たちよりもずっと合理主義的、近代の医学的な思考に近かった、という評価を与えているように読めてしまうのですが、これは現代のモノサシで当時の人物を理解しようとする、アナクロニズムではないかと。

実際、カルペパーの症例を読んでみればわかりますが、彼が占星術をとらえていたことは
間違いありません。科学と占星術思想はこの時点ではそうきれいに分化できるはずもないのです。
ウリーは「デカンビチュア」と「ホラリー」を不思議なくらいに区別して考えているようですが僕には、この違いはさほど明確であるとは思えません。

デカンビチュアというのは、僕流に訳すると「臥床図」とでもなるのでしょうか、その人物が病気になって床に伏したとき、転じて病気になったときのチャートを指しています。このチャートからカルペパーは診断、治療法、今後の予測までできるといいます。ウリーはデカンビチュア図をつくるということはいかにして病気になったかということを聞くことであり、ただ質問されたときの星図を作ることではない、と考えているようなのですが…。なら、ホラリーは一般的な質問の状況を聞かないのか。

17世紀においてはリリーのごとく魔術的な要素を色濃く残した占星術家(現代のネオ伝統主義者はあまりそのことを強調しないようですが)とより機械論的な占星術家がいたことは知られています。この意味でも、思想史的な角度からもカルペパーの哲学をより克明に描き出してくれるとよかったと思うのは望みすぎでしょうか。

まあ、このあたりはカルペパーやリリーの著書に直接当たることができるので、僕たちは僕たちのスタンスでアプローチすればいいのでしょう。
しかし、普通に調べるとなかなか読み取れない、市民革命の時代のロンドンの雰囲気や
医学制度の成立事情など、読みやすくまとめてくれているこの本は本当に貴重。
頻出するハーブの名前を、和名でわざわざ訳している点でも雰囲気が高まっています。高望みをするならもともとの英語名も併記しておいていただけると実用的だったかもしれませんが、しかし、和名の響きの美しさも手伝って読み物としての本書の魅力を倍加させているのは間違いありません。
ぜひ、手にとっていただきたい本です。

Posted by 鏡リュウジ   |