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August 06, 2007

8月6日 キリスト神話

暑い日が続きますね。
みなさん、お元気ですか。

僕はあいかわらず元気です。
原稿がなかなか進まずにいるんですが、
暑いから仕方ないよなーーなどと思いつつ。


最近読んだちょっと面白い本、
トム・ハーパー著
『キリスト神話』
原題は 『Pagan Christ』 で結構物議をかもして
いる本のようですね。
僕にはトンデモ本の一種なのか
一抹の真実があるのかよくわからないけれど。

内容を一言で言うと、キリストの物語や生涯は
古代エジプトの神話に由来するものの焼き直し、
ないしは変奏である。重要なことはそれは当時の
人々はキリストの物語を霊的真実を伝えるための
象徴であることを知っていたのにもかかわらず、
初期の教会の人々が、象徴としての真実を理解できない
大衆に布教するために組織的、意図的にそれを
事実として書き換えてしまい、それが現在にいたる
キリスト教の偏狭さや頑迷さを生んでしまったというのです。
この主張の妥当性は僕には判断できませんが
論法としてはまさにユングやキャンベルのそれと同じです。
ジェイムズ・ヒルマンのいう字義主義(直解主義)への
警鐘という点では僕が日ごろ言っていることと
きわめて近いのですが、象徴が伝えるべき霊的真実が「ある」という
ことを前提とすると、それはまた、象徴を解読できる人と
そうでない人、というエリート主義を生み出すことになります。
ほとんどの秘教グループが「外陣」「内陣」に別れるのは
ここに基盤があるわけですよね。

にもかかわらず、エジプト神話とキリストの生涯の
平行性を次々に提出してくる面白さは
まるで推理ゲームのよう。夏の読み物としては楽しめると思います。

Posted by 鏡リュウジ  書籍・雑誌 |