4月2日 社会学者が語る運命感覚
更新が遅れてすみません。
先日届いた英国占星術協会のジャーナルに
中島達弘さんの記事が掲載されていました。
中島さんは現代哲学や心理学にも詳しい占星術家で
何度かイギリスやアメリカでの学会でもお目にかかっています。
氏は知る人ぞ知る俊英。
内容はいかにも中島さんらしい、現代哲学と
冥王星のシンボリズムだったのですが、
そのなかにちょっと気になる記述が。
鮮やかな手つきで社会の枠組みを分析することで知られる、
社会学者のアンソニー・ギデンズが
心理占星術の泰斗であり僕も何冊かその著書を翻訳している
リズ・グリーンを引用しているというのです。
おお、かのギデンズが社会学の立場から
近代後期(成熟社会といってもいいでしょう)における
占星術の立位置を分析しているのか、とあわてて
件の本、Modernity and SelfIdentityを取り寄せてみました。
残念ながら、その箇所は古代社会においては
モイラという運命の女神が神々のなかでも
もっとも古いとされていた、という
神話に詳しい人なら常識的な一節だけだったので
ちょっとがっかりしたのですが、しかしそれでも
ギデンズがグリーンを読んでいるのかと思うと、興味をそそられます。
しかし、それ以上にギデンズが分析している、運命の感覚と
リスク社会化したモダニテイ(近代)の関係は
ぼくにはきわめて示唆的でした。
高度に発達した社会のなかにおいてこそ、
運命の感覚は強化されるかもしれない、というのです。
そのロジックについては
詳しくは講座か(たぶん、次回の朝日カルチャーセンター)、
あるいは別なところで語りたいと思います。
最近見たある統計で、若者の間では高学歴なほど
運命やスピリチュアルなものを信じる傾向が強い、
というデータを見たのですが、ギデンズの解釈を援用すれば、
一見、常識に反するこの統計結果も理解できるのかもしれません。
図版
左、盲目の運命の女神に左右される。
右は明晰な視力をもつ知性の女神が
運命の摂理を知る。彼女がもつ鏡に
天体のシンボルが見られることに注目。
宇宙の摂理を知るためには
規則的な天体の運行が必要、ということか。

















