7月25日 結界が破られた?
本当に暑い日が続きますよね。
そんなでもうちのアイビーやローリエは元気です。
昼間に水をあげると、鉢のなかで熱湯になってしまうのではないかと
水遣りはあえて夜にしているんだけど、これでいいのかな・・・。
さて、世間では陰惨な事件が連鎖的に起こっていて
ネットでニュースを見るたびに暗い気持ちになってしまいます。
そして今回起こった、書店での無差別殺人・殺傷事件。
これはぼくにはとてもショックでした。
いや、どんな場所でもあってはならない事件ではあるのですが、
こと、「書店」で起こってしまったというのが
ぼくには衝撃だったのです。
ぼくは書店がとても好きです。
作家の角田光代さんと話していたときも、世界中、
どこへいっても書店には同じような雰囲気というか匂いがあります。
郊外の雑誌やポルノしかおいていない書店はちょっと別だけれど、
単行本をそろえている書店は、
たとえ外国語で読めない本ばかりが並んでいたとしても
世界中、同じような雰囲気があるのです。
幻想なのかもしれないけれど、
そこは安全で、静かで、ほっとできる空間でした。
だからぼくは、外国の都市を歩いていて疲れると、
まっさきにカフェでもホテルでもなく、
書店を探して「避難」するのです。
いったい、この感覚はどこからくるのかと考えてみると、
やはり本というオブジェがもつ
独特の空気感のせいではないかと思います。
知性への、思考への、そして人間性への敬意のようなものが
書店には立ち込めていて、それが都市に満ちる
猥雑さ、喧騒、暴力性といったもの
(それもまた魅力的だし払拭しようとすると
よけいアブナイとは思いますが)を
遮断していたのではないかという気がするのです。
誤解を恐れず、あえてオカルト的な言葉を使えば
本というフェテイッシュが放つ結界が書店にはある。
うちのリビングも壁一面、
作り付けの書棚にしていて本を並べていますが、
引越したときは考えもしなかったけれど、
これが自分にとっての一種の「聖別」。
魔法の儀式だったのではないかとも思うほど。
けれど、その結界、魔法円が破られた、
という印象をもってしまうのです。
実際、被害にあわれたお子さんを
バイト先にだしておられたご家族の方も、
きわめて安心できる場所として書店を
考えられていたのではないかと推察します。
あまり悲観的なことは考えたくもないし、言いたくもないし、
今が特別な時代だとは考えないようにしたいものの、
何かが崩れつつある、ということを感じてしまうのを止められない。
ともあれ、被害にあわれた方のご冥福をお祈りするとともに、
こうした連鎖が続かないことを願うばかりです。
Posted by 鏡リュウジ | 固定リンク
















