« January 2009 | Main | March 2009 »

February 20, 2009

2月20日 マイバースデイなひと時

説話社さんから出していただいた『あなたの星座と運命』
その刊行を祝して、説話社の酒井社長をはじめ
編集、販売の方にごちそうになりました。

場所は池袋の老舗のイタリアン。
なんでも浅野八郎先生の行きつけのお店だということです。
浅野さんといえばフランス通だと思っていたので
イタリアンがお好き、というのは
ちょっと意外でしたがお料理のほうは素晴らしい。
とくにパスタ。菜の花とドライトマト、あさりの
シンプルなボンゴレだったのですがこれが素晴らしい。

最近のこじゃれた薄味の味付けではなく、
老舗らしいどっしりとパワフルな塩、しかし深みのある出汁。
これぞ伝統の味、という感じ。ごちそうさまでした。

なんて言いながら、話題はかつてのマイバースデイのことに。
中学生の頃に、友達のお姉さんに
少女向け占い専門誌の存在を教えられてから毎月買っていました。

一番のお目当ては今は亡き、ルル・ラブア先生の
ホロスコープ入門のページ。
子供向けとはいえ、かなり本格的な内容で今でも十分、
通用する内容です。それからリリカルな記事や付録も楽しかったですね。

エミール先生の「フェアリー占いカード」はアイルランド、
スコットランドの妖精伝説を素材にした占いカードなんて、
英国のフォークロアに興味をもつきっかけのひとつになりました。
ただ、なんといっても困ったのはその表紙。
ザ・少女漫画といっていい、まつざきあけみ先生の、
お目目に星がキラキラ、ラファエロ前派もびっくりの
女の子イラストでしたから、書店で買うのが恥ずかしくて恥ずかしくて。
どうにかして、この表紙だけはやめてほしい、と思っていました。
今にして思えば純情でした。
今から思うと、あのキラキラの絵は貴重な時代の証人だと思うんですが。
さらに思い出に残っているのは、件のまつざきあけみ先生画による
78枚フルセットの付録タロット。
二号にわけて付録がついていたんですが78枚、描き下ろし。
しかも小アルカナもマルセーユ的な(トランプ的な)数札ではなく
ウエイト=スミス版を下敷きにした総絵札。
超ミニサイズのデッキで、サイズもユニークだし、
もし今でも残っていたら、
フランスの「MANGA」ブームの影響もあって、
世界でもお宝として取引されるんじゃないかなあと思います。

うちももうないだろうな。
それにしても
こういうニッチな雑誌が当時は
毎月30万部も売れていたとのこと。
いまのほとんどの女性誌よりもずっと多い数です。

考えたらすごい時代だったんだなあ・・・。

背伸びして澁澤龍彦やサンリオのファンタジー文庫、
松岡正剛さんの編集の「遊」バックナンバーなどを読みながら、
マイバースデイの企画を喜んでいた10代。
ずいぶん変な子供だったと今でも思いますし
恥ずかしいーーーという気持ちもありますが
どういったって、そういう子ども時代の経験が
いまの自分につながっているのですから仕方ありませんね。

そんな思い出話に花を咲かせながら、
これからの占いカルチャーの進む道などについても
いろいろお話できました。素敵なひと時でした。

そうそう、今、雑誌「クレア」占い特集
ぼくは女神の神話をベースにした占星術を展開しています。
こちらもチェックを。
イラストは、マルチな活躍をされているキュートな才媛、
D[d:]さんの描きおろし力作。
じっくり楽しんでくださいね。

Posted by 鏡リュウジ   |

February 16, 2009

2月16日 トランスペアレント・タロット

新作タロットではなかなか面白いものが
ないなあと思っていたところ、久々に、
「おお。こ、これは!」というものが届きました。

それは「トランスペアレント・タロット」。
つまり、「透明」タロットなのです。

090216

ボックスを開けると、そこに含まれている
フルセットのデッキはなんと透明なプラスチック製。
文字通り、「透明」なのです。
これじゃあ、裏から絵が見えてしまって、
占いに使いにくいのでは……と思ったところ、
いやいや、むしろこの透明である特色が
従来のタロットには全くない、新しい解釈の可能性を開くのです。
たとえば、二枚のカードを重ねておいてみる。
「女帝」と「金貨の4」。
女帝のカードには人物が描かれておらず、
花が咲いている丘というシンプルな描写。
さらに金貨の4は、ウエイト-スミス版を踏襲した、
金貨を4枚しっかりと抱え込んでいる人物。
この2枚を重ね合わせると、美しい風景のなかで
金貨を抱きかかえる人物、という新しい絵が浮かび上がるわけです。
こうして従来のデッキにはない「新しい」デザインが
そのたびにつくられてゆく、というしくみ。

3枚重ね合わせることもできますし、
また少しづつ横にずらして並べていくと、まるで絵巻物のように
横長の新しいデザインが出現する。

残念ながらプラスチックという性質上、汚れやすかったり
使っているうちにプリントが薄くなって
しまいそうだなあとは思いますが、
これは本当にユニーク!うならされました。

タロットのなかにはまだまだ
新しい可能性があるのですねえ。

Posted by 鏡リュウジ  文化・芸術 |

February 12, 2009

2月12日 メールも復旧

新しいPCを導入し、なんとかメールも復旧。
しかしパソコンないとほとんど何もできない自分に気がつき、愕然。
こんなんでいいのでしょうか。

月曜は3年間やらせていただいたCSの番組
「鏡リュウジの星ものがたり」の打ち上げ。
プロデューサー含め、みなさんと思い出を語り合いました。
本当にいろいろ楽しかったなあ。
3年の思い出を電子アルバムにまとめていただいて大感激!
なおこれは打ち上げの最後に出てきたカプチーノ!
ミルクの泡で熊さんの顔が!かわいい!

090212

Posted by 鏡リュウジ  グルメ・クッキング |

February 10, 2009

2月10日 愛はなぜ四年で終わるのか

そんなタイトルの本が以前、ベストセラーになりました。
それが真実かどうかわかりませんが、
ラップトップはなぜ四年で必ず壊れるのでしょう?

メカに弱いあっしは仕事できず半べそ。
メールもできないので……。

なお、これは携帯から
スタッフの方にアップしていただいてます。

Posted by 鏡リュウジ  ニュース |

February 09, 2009

2月9日 充実の週末、体リセット?

週末、風は強かったけれど本当にいい天気でしたね。
土曜日は、恵比寿のフレンチの名店、ジョエル・ロブションにて
20世紀フォックスさん主催の小さなイベント。
昨年から「プラダを着た悪魔」など、
女性向けセルDVD4作のプロモーションに
加わらせていただいていたんですが、土曜はその一環でした。
DVDを買ってくださったみなさんの中から
10名さまをご招待、ロブションでのランチに加えて、
ぼくから、少人数でのホロスコープレッスンを1時間、という特典プラン。
みなさん、楽しんでくださったようでよかった。

拙著「星のワークブック」から金星のサインのワーク
みなさん、思い当たるところや発見があったと
おっしゃってくださって、ほっとしました。
携帯サイト「恋占術」などでもぜひ、
自分のホロスコープをチェックしてくださいね。

ところでランチのメニューで一番びっくりしたのは、最後のデザート。
美しい桜色に輝く球体がアイスとともにお皿に。
何か、とスプーンをそっとあてると小さな音をたてて、
本当に薄いガラスのように割れるではありませんか。
中からはクリーム。
そう、極薄につくられた飴細工でした!お見事。

ちなみに今回のDVDのイチオシは
やはり「プラダを着た悪魔」かなぁ。

その後ちょっと休憩して、その足で、
新横浜でのMISHAさんのコンサートへ。
もうずいぶん前なんですが、MISHAさんのラジオ番組に
ゲストにお招きいただいてからずっと、
スタッフの方にCDやDVDなどを送っていただいておりました。
今回、特別に席をとっていただき、
ひさびさにMISHAさんの生声を堪能いたしました。
あの広いアリーナ。
なのに、そのバイブレーションは手にした
グッズを振動させるほどのパワー。
あの小さな体からどうやって
あの美しいソウルフルな声がでるのか、と改めて感激。
同行したSさんは、感激のあまりか涙ぐんでいました…。
歌手とかスポーツ選手ってほんとにすごいですよねえ。

日曜はひさびさにうちにいられる日だったので、
体調を戻すためにもリセットの日。
原稿を落ち着いて書ける日でもありました。
たまっていたものをいろいろ書いて……。

それから久々にプールで1時間、軽く流す。
とはいえ本当に久々だったので意外なほど体が重くて動かず。
せめてもの、ということで食事は菜の花の辛し和え、
豆腐の味噌汁、もやしの蒸し物にポン酢とトマト、
ご飯少し、というライトメニュー
ぜーんぶ野菜で、油もほとんど使っていません。
しかし、残してはなるまいと食べ過ぎたら意味ないのかしら。
朝はご飯と漬物だけにしよう……。

明日は、NHK BSの収録、会議に、夜は楽しみにしている会食もあるし。

でもこう書いていると、不況のなかでイギリスでは
レストランの売り上げがのきなみ落ち、閉店も多い中、
フィッシュ・アンド・チップスだけは伸びているという報道が。
フィッシュ・アンド・チップスもお酢をたっぷりかけて
いただくのもうまいけれど、
その流れでせっかく普及してきた美味しい
オーガニック系の店に影響が出たら嫌だなあ。
滞在中はどうしても野菜が不足しがちになってしまうし。
お肉も好きだけれど、野菜は僕には不可欠で。
そんなことをいいながらも、最近の英国の「ヘルシー志向」のせいで
伝統的な、目玉焼きにベーコン、ビーンズにバターとトースト、
ローストトマト、ハッシュポテト、というボリュームたっぷりの
イングリッシュ・ブレックファストをおいしくいただけない宿も
増えてきてこれも嫌だ…とどこまでもわがままなことを考えながら、
ひさびさの野菜オンリーメニューをいただきながら夢想していたのでした。

ではでは、また。

Posted by 鏡リュウジ  グルメ・クッキング |

February 06, 2009

2月6日 若書きの勢いと、本、本、本…

昨日、文春文庫から出していただいた
神話エッセイ集『オルフェウスの卵』が到着。
単刀直入にいいます。この本、ぜひ買ってください(汗)!

090206_1

出版不況と言われているおり、まったく実用的ではない
こんな本を文庫化していただけたことは本当に嬉しいのですが
ほっておくと書店の棚で埋もれてしまいそう…。
この不況の影響もあって、ベストセラーになっているものの多くは
生き方指南やらお金もちになる方法やらが目立ちます。
でもこんなときだからこそ、すぐには役に立たなくても、
人々を突き動かしている神話の力を
もう一度、思い起こすことも必要だと思うのです。
まあ、なにより、自分で言うのもなんですが、
若いころに書いたこの本の文章は生き生きしている。
さりげなく神話学のエッセンスをまとめて入れてあったりして、
恥ずかしながらも読み返したり。
短い文章のコレクションなので、ぜひ。

さてさて、本、本、ということなんですが、
先月、神田の老舗洋書店、「北沢」さんからご連絡をいただいておりました。
ペーパーバックを中心にオカルトや超心理学、占星術などの本が
大量に入荷したからいらしゃいませんか、と。
それからなんだか慌しくてなかなか足を運べなかったのですが
今日、早稲田で仕事もあったのでそのまま電車をのりついで神保町へ。
北沢書店は貴重な洋書を扱っておられる名店で、
なんだかんだとお世話になっています。
今回は買いやすい値段のものばかり、ということで…。
すでに持っているものも多かったのですが、
今では入手できないようなものもあるので占星術仲間への
プレゼント用も含めてダンボール一箱分ほどお買い物。お値打ちでした。

ここで買ったものはまたあらためて。
また、僕には宝の持ち腐れになるだろう超心理学関係やUFO、
さらにすでに所有している1980年代頃の
占星術書は買っていませんので、もし、ご興味あるなら今はチャンスかも。

神保町にいったらまた、お邪魔するのが占い本を数多く扱う「原書房」さん。
ここでも2冊ほど本を買ったのですが、
そのひとつがこの、『トランプ占い回想記』

090206_2

著者はは永田久五子という方で刊行は昭和56年。
出版社の名前もなく、おそらく自費出版なのでしょう。
巻末にある著者紹介をみると大正10年生まれの方で
戦後まもないころから主婦業をこなすかたわら、
トランプ占いをされていたとのこと。
序文を大女優、山田五十鈴が書いていたり、
協力者として作家や芸能人の名前もあることから、
広い人脈をお持ちなのでしょう。
この本、ぼくもこれまでは見たことがありませんでした。
内容は、永田氏のトランプ占いが導いた機縁、奇縁をめぐる回想集で
激動の時代を生きた著者の強さやユーモアがあらわれている
面白いエッセイ集になっています。

占いを通して、この世界のさまざまな裏側の世界を
垣間見ることはよくあるのですが、こうしたエッセイをみると、
そのことがよくわかります。

「40年の占い生活で使い古したトランプが千五百個」
という著者、まだご存命なんでしょうか?
残念なのは、もともと綴じ込みでついていたという
著者流のトランプ占いのハウツーがすでになくなっていた、
ということ。古書だから仕方ないのだけれど……。

占いを通しての人情物語として、
昭和のムードを知る本として貴重な本ですね。

それから、このところ寝る前に読んでいた本。これは新刊です。
歴史ミステリーは僕も好きなんですが
ジュリオ・レオーニ著『未完のモザイク』(二見書房)。
なんと主人公はあの、「神曲」のダンテ。
14世紀、フィレンツエでダンテは執政官(プリオーレ)に任命され、
大きな権力を振るうようになるのですが、まさにその直後、
モザイクの匠の死体が発見されます。
モザイクは未完のまま、さらにその体にはペンタグラムの傷…。
政治的陰謀、教皇権と皇帝権の対立、陰謀、テンプル騎士団や
東方の宗教の秘儀に薬学、錬金術、占星術家や神学者の討論…
これらが渾然一体となって最後に明かされる秘密とは??
結末はもちろん、言いません。
血の気の多いダンテが活躍する歴史ミステリ、楽しみました。

090206_3

調子にのって先日から読み始めているのは
『最後のカバリスト』という歴史ミステリ。
これはもう少しペダンテイックです。
スペインを追放されたユダヤ人たちが残した
カバラの秘密文書が伝える内容とは…。
わくわくしますねえ。

さてさて、仕事にもどらなくては。

あ、『オルフェウス』。是非、よろしくね。

Posted by 鏡リュウジ  書籍・雑誌 |

February 04, 2009

2月4日  モノはmana?

週末は雨の中、朝日カルチャーセンターでの講座のために京都へ。
雨の京都も美しいのですが、新たな発見がいくつも。

京都人といいながら大学に入ってすぐ東京に出てきたぼくは、
親と行った店以外はほとんど知りません。
今回たまたま一人だったので、単身、街をぶらついて
一人で食事ができそうなお店をさがしてみると、気になる看板が。

スペインバールがあるというではないですか。
うまいものを探す嗅覚だけは優れているぼく。
ピンときて地下の重い扉を開いてみると…渋いバースタイルのバール。
それも最近の立ち飲みブームにのって出来た、という
感じではない、いい意味でのひなびた感じ。
お、ここはいいぞ、と確信したわけですが
しかしこうなると、常連さんやシブイお客ばかり
なのではないかと、一瞬、緊張。
するとマスターが「こちらへ」と、ごく自然な笑顔で
カウンターのど真ん中へ案内してくれました。

さっそくカヴァ(スペインのスパークリングワイン)と
ミント・ラム、上州葱のローストを注文。
これがうまいの!
聞けばもう20年前からあるお店だということで、さすがでございます。

そのあと友人がやっているお店に寄ったため、
小一時間ほどしかいられなかったのが残念。

機会があればぜひみなさんも。
http://sesamo.okoshi-yasu.net/index.htm

あとから聞いてみると、有名な店なんですってね……。
その後、知人のバーで知り合った方とも
盛り上がってしまったのですが、それはまた別の話。

帰りの新幹線では、いつも楽しみにしている
車内詩「ウエッジ」を手に。
そのなかでは中西進先生
「日本文化はどう展開したか」第2回が非常に面白かった。
テーマは「もの」を信仰した縄文人、ということ。

このブログでも時々書いているように日本語のモノという言葉には
物質と魂の双方を包含するニュアンスがあり、
これは西洋的な二元論を超克するひとつの方向性を示している
のではないか、という指摘がさまざまな人々からなされています。
で、このモノ、という日本語の語源として
中西進さんはメラネシアにみられるマナ(mana)が
あるのではないか、という仮説を立てておられるのです。

マナといえば宗教人類学の入門で必ず並ぶ概念で、
メラネシアの人々が信仰した超自然的、非人格的なエネルギーのこと。
物体や人、土地などに宿ったり、転移したり、強くなったり
伝染したりする性質があるとされますが、
このマナという言葉が縄文時代に非常に発達したカヌー技術によって
遥かかなたの太平洋から渡来したのではないかというのです。

この仮説がどの程度信憑性があるのか、ぼくには判断する能力は
ありませんが個人的にはかなり納得できました。
というのは、以前、ポリネシアのタヒチを取材したとき、
現地の「マラエ」という古い祭祀施設の遺跡の多くが、
沖縄のウタキ(御獄)と雰囲気がそっくりだと感じたことがあるからです。
環太平洋文化圏と呼べるようなネットワークが
遥か古代にあったのではないか、というのはぼくの確信めいた直感です。

ところで、このモノをめぐる研究会が京都大学の
鎌田東二先生らを中心になって活動しているのですが、
僕もその末席に加わらせていただいています。

2月22日には公開シンポジウムがあります。
一般の方も参加できますのでぜひご参加ください。
ぼくは「ロマン主義と星の力」というお題をいただいております。

詳しくはこちら。
http://homepage2.nifty.com/mono-gaku/

帰りの新幹線の中からは、富士山がきれいに見えました。
090204

Posted by 鏡リュウジ  旅行・地域 |