7月1日 ドラゴン桜・講師に鏡リュウジ!?
テレビドラマにもなり多くの受験生、そして大人たちにも
感銘を与えたコミック「ドラゴン桜」。
受験がカッコイイと思わせてくれた作品でした。
その作品からスピンオフして出版され、40万分のベストセラーになったのが
「ドラゴン桜公式副読本 16歳の教科書」(講談社)。
今回、その第2段が発売になりました。
サブタイトルは、「『勉強』と『仕事』はどこでつながるのか」。
今回の講師陣は6名。ジャズシンガーの綾戸智恵さん、「サイゼリヤ」創業者の正垣泰彦さん、数理物理学者で「渋滞学」で話題の西成活裕さん、「フラガール」などで知られる映画監督の李相日、そして、ワタクシ、鏡リュウジです。
前回の本が「勉強」へストレートに切り込んだものだったのに対し、今回の本は、社会で活躍するオトナたちが自分たちの「勉強」といまの社会生活をどんなふうに「つなげて」いったのかを本音で語るという試み。
16歳の若者はもちろんのこと、大人の方にもぜひお勧めしたい本です。
まあ、考えてみれば、占いなどというアヤシイ仕事をしているぼくが
「立派(?)な大人」の一人としてこのような本に登場していること自体が
現代のパラドキシカルな状況をあらわしているようにも思うのですが、
このあたりは面白いですね。
で、ここからは、この本を読むオトナの人への、おせっかいな補足。
ぼくは社会学者じゃありませんからハナシハンブンに聞いてください。
ありていにいってしまえば、かつて、「勉強」「受験」は、社会階層に応じた教養、つまり「共通の言語」を得ることで、その階層に参入するための手形として機能していたと思います。これは真に実学的な技能取得を別にして、ということですが。
だからこそ、「学校の勉強なんか社会に出てから何の役に立つの」というもっともな疑問が出てくるわけですし、オトナたちはそんな疑問をぶつける子供たちにたいして、様々な詭弁を弄する必要もあった。
確かに、これは一方から見れば偏向した「学歴社会」だし、逆にいえば、出自に関係なく、誰でも「勉強さえすれば」社会階層を上昇することを可能にする、自由を保証するシステムだったともいえます。
山田昌弘さんの本などを参照するとわかるのですが、これは別の見方をすると、学歴上昇コースの途中でほかの道を選んだとしても、「俺は若いころ勉強せず遊んでいたから」「出世できない」けれど「人間的なつながりを生み出せるぜ」というソフトな諦めと希望を巧みに作り出す制度だったという解釈もできます。
けれど、社会の流動化が進んでゆくと、そうしたリニアな階層分化の虚構性がはっきりと見えてきてしまいます。
かつては芸能人(芸人)、芸術家、あるいは学者などにしか許されなかった社会階層のジャンプを身近にみることもできるし(その逆の転落もありますが)、国際化が進むことによって共通言語、階層内の符牒としての「教養」のもつ機能が低下してきた、ということかもしれません。自分探しブーム、資格取得ブーム、自己啓発的なビジネス書のベストセラー化などの背景には、こうした社会変動、もっといってしまえば社会認知の変動があるのではないでしょうか。
占星術的にいえば、冥王星が射手座(教育)にあった時代に、かつての教育システムが大きく変容し、今後、冥王星の山羊座(社会の基幹部)の時代にそれがはっきりと実社会のなかで見えてくる、ということになるのでしょう。
今はその過渡期だと思いますし、誰も「答え」は持たないのだと思います。
しかしそんなときだからこそ、「ドラゴン桜」編の講義がいろいろな意味で面白いものになってくるのでは。
大人の知性をもって、これらの講義を聞くと、さらに面白いインサイトがあると思います。
Posted by 鏡リュウジ | 固定リンク
















