8月12日 ついに公開されるユング派最後の秘儀
静岡で地震がありましたね。
日食のあとだったり正確に火星と土星がスクエアをとっているタイミングだったり。
ホロスコープは興味深いものになっていましたが、被害にあわれた方、心からお見舞い申し上げます。
被害が小さかったのは、静岡の方の防災意識の高さの現れなのですね。
見習わなければなりません。
報道では、女性一人が崩れた本の山に埋まって亡くなった、ということですが、これなどはぼくは人事ではありません。
ご冥福を祈るとともに、本棚のほうもしっかりと固定しなければいけないと感じました。
さて、日食は真昼に星空が見えるということから、隠されていたものがあらわになってくる、という意味もあると思うのですが、そんなことを思わせる興味深いニュースが。
ついに「赤の書」が公開されるというのです。
赤の書、といってピンとくる方は相当の人です。
実はこれはあのユングの残した、絵が満載されているノートです。
ユングは師匠であったフロイトと決別したのち、危機的な心理状態に陥ります。さまざまな幻覚を見たり、いまでいう統合失調症にも似た状態に落ち込むのです。
おりしも世界大戦の前夜でもありました。
そのとき、ユングは自ら「一種のヨーガ」と呼んだ、イメージの世界へと下降する瞑想を行います。
のちにこの体験は「能動的想像」というユング派の技術として発展してゆきますが、ユングはそのときに見たヴィジョンや体験を、「赤の書」というノートに書き取っていたのです。
そのいくつかの図版はユング関係の本にも採録されてはいますが、その全容は一般の人には謎につつまれていました。
この本には、ユング心理学という大木の基礎となる、ユング自身の内的体験のすべてが記されているはずですが、それゆえに公開はいままで拒まれ、聞いたところではスイスのユング研究所での、分析家候補者のみが閲覧できることになっていた、ということでした。
しかし、その「赤の書」がついに公刊されることになったのです。
アマゾンでは英語版がすでに予約開始されていますし、日本語版も準備されていると聞いています。
ご存じのようにユングは占星術にも深くコミットしていた人物で、ぼくからすると、プラトンから始まりルネサンスの神秘思想に連なる、もう一つの知の伝統に現代的な衣裳をまとわせた人であり、占星術やヘルメス思想の水脈から多大な養分を吸収して、独自の体系を作り上げた天才であり、マグスです。
「赤の書」には、そうした、ユングの「秘儀」がおさめられているのではないでしょうか。
この本の公刊を、ぼくは心待ちにしています。
図版はユングのヴィジョンに現れた内的指導者・フィレモンの姿。

















