June 29, 2009

6月29日 海のエジプト展で占星術の源流に出会う

横浜で開催されている、「海のエジプト展」、
内覧会にお招きいただいたので、一足先に見に行ってきました。
これは北エジプトのヘレニズム都市、アレクサンドリア、カノープスなどの海中に没したエジプトの遺跡、遺物を展示するという豪華なもの
アレクサンドリアといえば、2世紀に占星術の最も初期の教科書を表わした天文学者にして、コペルニクスの科学革命にいたるまで千数百年にわたってヨーロッパの宇宙観を決定づけたプトレマイオスが活躍した占星術の「聖地」でもあります。
伝説の大図書館が存在したのもここ。

アレクサンドリアだけではなく、この付近には、海の貿易を基軸にした偉大な都市がいくつも点在していました。
以前FRaU誌で、ぼく自身もアレクサンドリアを取材させていただいた経験がありますが、その遺物がまとまって日本でもみられるとのこと、これは見逃すわけにはいきません。

ご一緒していただいたのは、例の対談以来、すっかり仲良くしてもらっている、ストリート系占い師ユニットNOT FOR SALEのSUGARくん。
みなとみらいの展示会場で開催されているこの展示会、展示方法にも工夫がこらされていて、大人も子供も楽しめるかんじですが、入ってすぐに目に飛び込んできたのは、ぼくたち占星術家にとっては「いきなりクライマックス」!
 「デカンの祠堂」と呼ばれるものでした。

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高さ180センチ、奥行きも80センチほどの石造りの、神像を安置する小さなお堂です。
その壁面にエジプトの暦がヒエログリフで描かれています。紀元前4世紀のもの。
ご存じの方も多いでしょうが、エジプトでは1年を360日としていました。残りの5日は祭礼にのみ使用して事実上「存在しない」ことにしていたとの由。
そしてこの360日は10日づつ、36の「旬」(デカン)に分割されていたのです。
この祠堂の壁面のヒエログリフはそのデカンを表現しているというのです。

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この時代、エジプトにはまだバビロニア、ギリシャの12星座占星術は入っていませんが、このデカンの概念はのちに、ホロスコープに取り入れられるようになり、インド、アラビアへも広がってゆきます。西ヨーロッパにはこのデカンの神々は、ルネサンスの時代に再度流入して、ルネサンスの魔術として花開きます。
デカンについても触れている、アラビア起源の魔術書である「ピカトリクス」などをフィチーノをはじめとする哲学者が貴族文化に紹介してゆくのです。
以前もどこかでご紹介したかと思いますが、イタリアのフェラーラのスキファノイア宮には、エジプト起源のデカンの神々を描いた暦絵が壁面を飾っている部屋があり、その絵を美術史家のアビ・ワールブルグが読み解くことで、「イコノロジー」(図像学)という学問が成立してゆきます。
ワールブルグが言うとおり、「ギリシアの恒星天の最古層には、最初に、エジプト起源のデカン崇拝の図式が横たえて」いたのです。(「フェラーラのスキファノイア宮におけるイタリア美術と国際占星術」、伊藤博明監訳)
その源流がここにある、と思うと、ほんとに大興奮。
もちろん、ほかの展示も興味深いものばかりでした。

レセプションにも出ようと会場を歩いていると、ほぼ10年ぶりにエジプト舞踊のレイカさんと再会。
さらに「鏡さん!」と声をいただき、振り返ると、荒俣宏先生がいらしたりして。
興奮度合いはさらにアップしたのでした。

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「海のエジプト展」、夏休みにはぜひ、ご覧になってはいかがでしょうか。

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May 20, 2009

5月20日 怪しい四者会談、荒俣さんを囲んで

博覧強記で知られる荒俣宏さんを囲んで四時間にわたる座談会
TBSのネットテレビの収録です。
TBS VISIONの本間さんの発案で最近出ている
ニューエイジ、オカルト、スピリチュアル雑誌を一同に並べ、
取り上げられているトピックから
それぞれの話を広げてゆくという、濃い趣向

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参加者は本間さん、荒俣宏さん、女優の吉野紗香さんと僕、鏡の四名です。
テーブルの上にずらっと並べられた、アヤシイ雑誌を眺めると
もう圧巻、というか異様な雰囲気。
そのなかから、UFO,占い、風水などなどをとりあげて
縦横に話を広げていきました。
思い起こせば、僕がこうしたアヤシイ世界に深入りするようになった大きなきっかけとして、高校一年生のときに平川出版から出た、荒俣宏編の『世界神秘学事典』の影響も大きいのです。
その巻末につけられた参考文献リストを頼りに
手当たり次第に文献に当たっていったのでした。

本間さんは、97年ごろにノストラダムスを取材した
テレビ紀行番組「神々の詩」でお世話になって依頼のお付き合い。
そうした方々とご一緒できるのは、本当に冥利につきます。
吉野さんもとてもキュートな方。
女優さんなのに気取ったところが全くない、本当にチャーミングな方でした。
放映が決まったらまたお伝えしますね。

ところで荒俣先生は、
「かつてはこうした世界へ参入するには色々障壁があって、
払わなければならない犠牲も大きかったのに
今はみんなこうやって商品化されていてすっといけちゃうんだなあ」といった
ことを複雑な面持ちで語られていましたが、本当にそう。
だからこそ、考えなければならないことも多いのだと思います。

その後、マドモアゼル愛先生、森村あこ先生たちと
そしてコンテンツ制作でお世話になっていたSさんの
独立を祝って、青山の和食店に。

愛先生とも本当に長いおつきあいでかわいがっていただいています。
最近の政治や経済の話をいろいろ伺いました。
あこ先生もいつもどおりの華麗なファッションで登場。
でも、実はアロマセラピストとしても英国の資格をもつ、勉強熱心な方です。
今度はもっと石やハーブの話など語り合いたい。
このメンバーで、占い界のきしかたなどいろいろ深く話ができました。

こうした会食は一見、無駄なようで、みなさんにお届けしているサイト
(鏡リュウジ☆恋占術、月占術だとかソウルフルタロットだとか)に
反映されていっています。
ぜひぜひ、こちらもチェックしていてくださいね。

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May 18, 2009

5月18日 阿修羅と星とジュエリーと

占い師ユニットくんとの出会いの興奮の余韻をひきずったまま、
今度はぼくの憧れの(若者なら「リスペクト」っていうんでしょ?)
先生方と夢の鼎談。

鶴岡先生の最近のご著書、『阿修羅のジュエリー』を題材にお話をさせていただきました。
現在、東京にやってきている阿修羅はユーラシア大陸を結ぶ、東西文化の融合が生み出した壮麗な文化遺産として見る必要があります。
かねてから僕もいっていますが、奈良や京都は「日本」文化の象徴などといったちっぽけなものではありません。
それはヘレニズム文化の夢の結晶であり、東と西の偉大な文化のアマルガムでもあるのです。
鶴岡先生のご著書にはわかりやすくそのことが語られています。
また中沢先生は、人類学者としてさらにその射程を広がられ、ロシアとインドを結ぶ回路、さらに北米インデイアンの文化の神話と阿修羅の履物との象徴的なつながりを指摘されました。

さて、僕に与えられたお題は阿修羅とつなげての「星と宝石」でした。
そこから浮かび上がる重要なテーマは二つ。
東西文化のアマルガムとしての宝石占星術。これは歴史的、空間的な系譜と広がりの広大さです。
そしてもう一つは星と石のもつ元型的な同一性。こちらは「魂のなかのイメージのつながり」。
詳しくはお話できませんが、面白いところでその双方を象徴する伝説をとっかかりとしてご紹介しました。

それは「アレクサンドロスの物語」。ヘレニズムの大帝国を築き東西の行路を一気に開いたアレクサンダー大王をめぐるフィクショナルな伝記、伝説が紀元前3世紀ごろからたくさん語られ、翻訳されています。
そのなかの一つの逸話に、アレクサンダーの母親がエジプトの占星術家ネクタネボにホロスコープ作成を依頼するというものがあるのです。
占星術家は、外套から豪華な板を取り出してきます。
黄金、象牙、黒檀、銀でできたその板には12の星座宮や36のデカンを基にしたブランクチャートが描かれていました。
さらに、占星術家にして呪術師ネクタネボは象牙の宝石箱を取り出し、そこから8つの宝石を手に取りました。
それは7つの惑星とアセンダントを象徴するものでした。
底本によって若干の異同はあるものの、クリスタルは太陽、ダイヤは月、火星はヘマタイト、エメラルドは水星、サファイアは金星・・・などという対応です。
そして占星術家は、アレクサンダーの母とその夫の星の配置をこの宝石で板の上に再現し、この二人の間には神のような子供が生れると予言するのです。

宝石細工のホロスコープ!なんと壮麗なイメージでしょう。
歴史的な考証をすれば、もちろん、これは後代のフィクションであり、
アレクサンダーが生れる時代にはこのような
占星術が存在していた可能性は低いわけですが
人びとのイメージのなかで、アレクサンダーというオリエントへの道を開いた英雄の誕生に、やはりオリエントからのきらびやかな光の象徴であった宝石がおりなすホロスコープが存在していた、とまことしやかに語られているというのは実に象徴的。

いま、流行している一見たわいない「パワーストーン」ブームのはるかな水脈は、こんな文化の交差路のなかにはじまっているのです。

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April 27, 2009

4月27日 アストロノミー・パブ 問合せ先

ごめんなさい、情報の修正です。
先日、ちらっとお伝えした6月の
「アストロノミー・パブ」なんですが
問い合わせ先は三鷹ネットワーク大学です。

申し込みは5月7日朝9時30分からだとのこと。
定員は20名で、申し込み多数の場合には抽選になります。
フライングで情報を載せてしまってすみません。
(国立天文台に問い合わせても
情報はありませんのでご注意ください)

http://www.mitaka-univ.org/

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April 20, 2009

4月20日 ガリレオの占星術

NHKの週刊ブックレビュー、ご覧いただけましたか?
お勧めの1冊に渡部潤一先生の『ガリレオが見た宇宙』を取り上げました。
今年は世界天文年。ガリレオが初めて望遠鏡で宇宙を見たことを記念して世界中でさまざまな天文イベントが開催されています。
近代的な天文学の誕生をガリレオが切り開いたことを祝して、です。

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ところが、文化の発展というのはそんなに直線的なものではありません。
多くの科学者にとっては頭の痛い話でしょうが、近代天文学の父であるガリレオは、れっきとした占星術家でもありました。
岩波文庫にも入っている、『星界の報告』を開いてみましょう。
ガリレオは、自分のパトロンでもあるメデイチ家のコジモ二世への献辞から、この偉大な本の幕を開けています。
そのなかに、こんな文章が出てくるのです。
「慈しみ、心の温かさ、物腰の柔らかさ、王家の血統の正しさ、行いの重々しさ、他者への権威と支配の広大さ、こうした徳がすべて、一切の善の源泉である神のつぎに位するユピテルの星から流れ出ていることを、知らないものがありましょうか?」

ユピテルとはジュピター、つまり木星のことです。
占星術では大吉兆の星であり善の象徴でした。
ガリレオは続けます。

「ユピテル、ユピテルこそ殿下のご生誕のさい、すでに地平の濁った蒸気を通り過ぎて中天に位置し、王宮にあって東方を照らしていました」。

もちろん、これはコジモ二世の出生ホロスコープのことを言っています。
ガリレオ自身が作成したコジモ二世のホロスコープでは、ガリレオがいっているように木星が天頂にあります。
そして、この日本語訳ではわかりにくくなっていますが原文のラテン語を見ると、アセンダントの支配者である木星が天頂にある、という意味に受け取れます。
そう、コジモ二世のアセンダントは木星を支配星とする射手座でした。

岩波文庫版の訳注を見ると、この部分は伝統的な献辞の作法にのっとっているだけで、ガリレオが本気で占星術を信じていたわけではない、とあります。
星占いを使ってガリレオがパトロンにおべっかをつかっただけなのだ、と。
しかし、本当にそうでしょうか。
ガリレオは自分自身のホロスコープや、また自分の娘のホロスコープも作っています。
それに伝統的な占星術の方法論を使って解釈、コメントもしています。
貴族からの資金を得るためだけにホロスコープを作っていたのだとすると、自分の娘などのチャートを面倒な思いをして作るでしょうか。
確かに『対話』などのなかには占星術家を後智慧ばかりの愚か者と揶揄している部分もあるそうですが、しかし、その一方でガリレオは「宿命論的な占星術を行っている」というかどでも異端審問にかけられてもいるのです。
とはいえ、鬼の首をとったように、ガリレオだって占星術を信じていたんだから「信じなさい」といいたいわけではありません。
ただ、占星術という文化の豊かさを理解していただきたく、こんなことを申し上げているのです。

そういえば、もうすぐ公開されるダヴィンチ・コードの続編
(正確には前篇)『天使と悪魔』でも
ガリレオは重要な役回りを果たしています。
今年はなんだかガリレオが「来そう!」な気がしています。

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April 17, 2009

4月17日 ナルニア・コード!?

イギリスといえばファンタジー大国。
ピーターパンもアリスも、ハリー・ポッターも
指輪物語もぜんぶイギリスから生まれました。
で、忘れてはならないのが映画でも大ヒットの「ナルニア」。
正直にいうと、ぼくはこの一連の作品に感じられる一種の
説教、宗教くささがあまり好きではありませんでした。
しかし!!なんと最近、英国でこんな
ドキュメンタリーが放映されたというのです。
あのBBCで!
http://www.youtube.com/watch?v=5aPQmoyzXx8

そう、ナルニア・コード
もしかすると、ナルニアの物語は占星術の惑星の
シンボリズムとコスモロジーに基づいて
構築されているのかもしれない
、というのです。
番宣では「顎が外れるくらいの」衝撃の事実、という…。

僕は番組自体はみていないのですが、
これはなんとしても見なくてはいかん、と思っています。
英国では、魔法使いマーリンを主人公にしたドラマもヒットしているというし、
(これは日本で公開されるかもという噂も)
個人的にはイギリス熱がぶりかえしております。

英国の占星術の空気に触れたい方はぜひ僕の「月占術」や携帯サイト、
マギー・ハイドさんの「メデイア・コスミックス」などにも
アクセスしてくださいね。

明日はまた京都です。
あーーあわただしいーー。

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March 10, 2009

3月10日 春の講座のお知らせ

いよいよ春ですね。
この春はセミナーなどが続いています。
空席がありそうなものをご紹介しますね。
(ほかにもあるのですが、すみません、キャンセル待ちだそうです)

NHK文化センター青山  「日食の占星術」3月18日
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_472386.html

今年は世界天文年であるのと同時に日食の年。
占星術のなかでも重要なテーマである食とノードについて
その解釈の歴史と実例を交えてご紹介していきます。

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3月30日 日本トランスパーソナル学会主催イベント
「ファンタジーと変性意識体験」

http://transpersonal.jp/archives/503

海外から講師を招いてのセミナーが諸事情で
中止になったこともあり、急きょ開催が決定したセミナーです。
作家の田口ランデイ氏、人類学者の蛭川立氏、
司会に会長・諸富祥彦氏とともに神話的意識が
どのように展開されているのか、
どんな意味をもっているのかを考えていきます。

4月12日 仙台でのセミナー
http://www.fleur-alchemilla.jp/special.html

仙台でのはじめてのセミナー。
占星術に関心がある方のために
ホロスコープ解釈の第一歩をご紹介。
仙台のみなさま、ぜひお会いしましょう!

4月18日 朝日カルチャーセンター京都 「日食の占星術」
http://www.asahi-culture.co.jp/cgi-bin/lecturetable.cgi?mode=info&id=2009010562

こちらも日食のシンボリズムを紹介します。
古典的なテキストからその心理学的な意味にいたるまで。

うーん、こうしてみるとあわただしい。がんばりますーー!

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March 09, 2009

3月9日 クロウリーが歌う海王星への賛歌

20世紀最大の魔術師、ともいわれるアレイスター・クロウリー
占いの世界では、あの「トートのタロット」の
製作者としても知られています。
詩的な才能と伝統的なキリスト教への強烈な批判で知られる
鬼才、クロウリーはいまでも多くの人々に強い影響を与えています。
そのクロウリーが占星術の教科書を
書いていることはご存じだったでしょうか。
1927年、30年に、アメリカの著名な
占星術家エヴァンジェリン・アダムスの名前で出版された
本が実はクロウリーのテキストだったのです。
今ではクロウリーの衣鉢を継ぐOTO(東方聖堂騎士団)が、
詳細な注釈を付けたかたちで復刻していますし、
また、以前にはクロウリーの伝記も書いているジョン・サイモンズが
編集してペーパーバックでも出ていました。
(こっちはずいぶん前に買っているんですが
本の山のなかでどこにあるんだか…)

Neptune_2 

今回、海王星のシンボリズムについての講座を
やらせていただくにあたり改めて
このテキストを開いてみると、なんと、美しい……。
海王星のシンボリズムについての
見事で詩的な叙述にぶつかりました。
おりしも、鎌田東二先生主催の「モノ学」シンポジウムにおいて
ロマン主義について発表しなければならなかった
ということもあったのですが
これがみごとにロマン主義そのものを
表わすようなイメージと言葉に満ち満ちていたのです。

クロウリーがこの本を書いた時代には、
まだ冥王星は発見されておらず、海王星が太陽系の
最果ての惑星だとされていました。
(いまでは冥王星が「惑星の定義の制定によって降格」
されたために事実上、海王星はふたたびもっとも遠い
「惑星」となっていますが。)

クロウリーのイメージでは、海王星は太陽ですらが、
星座をつくっているようなほかの星のひとつと同じくらいの
大きさにしかみえない、暗く孤独な空間をまるで
隠者のごとく放浪している天体だということになります。
まるで何百年もの間、星の暗い海のなかで
隠遁の祈りをささげている修道士のような星だ、と。
しかし、その孤独、孤立の中で人をして
夢を見続けさせる何かがある、というのです。
「手の届かぬ貴婦人の前にひざまずく騎士の胸のうちに
きらめく星のような夢ばかりではなく、おとぎの窓から
透かし見える、かすかな夢」のようなものが。
「港にたどり着こうとするのは、海王星の本望ではない。
愛と友情を強く求めてはいても、それを
手にいれてしまうときには海王星はそっと身を引くだろう。
無限のものへの渇きなど、いかにして満足させられるというのか。
海王星は人類の無際限の精神そのもの。
天空ですら、その欲望に対しては狭すぎる。」
ここからはとくに気に入ったので原文で。
He(neptune) knows that Love is un attainable.and so he plays at love. He knows that happiness is beyond his reach, and so he seeks it by a violation of the limits of exsistance.

手に入らないがゆえに愛する。求める。
それがとても大事なこと。
それは、目標が遠いからどこまでやってもきりがない、
という職人のような意識とは違います。
原理的にけして手に入れることはできない。
だからといってニヒリズムに陥るのではなく
この世ならぬ理想であるがゆえに、この世のものと
同一視しないでその面影を追いかけ続ける、というスタンス。
どこか病んでいるような気もしますが、
その病を引き受けることもまた、海王星的な感覚です。

いま、不況の影響もあってすぐに結果の出るような
セルフヘルプ的なものばかりが注目されがちですが、
こういう手に入らないがゆえに美しく
貴重なものへの感性もまた、大事だと思っています。
そして、その病に耽溺もせず、こういう海王星的な領域を
どこかに守る力を養ってゆくことも。

なんだかとりとめない海王星的な戯言でした。

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March 05, 2009

3月5日 日食の年

今年は数十年ぶりに日本で皆既日食が見られます。
日食は、占星術の世界でも
とても重要なものだと考えられてきました。

占星術の伝統のなかで日食がどんなふうに解釈されてきたのか
あるいは個人のホロスコープのなかでどんな働きをするのか、
プトレマイオスからリリー、錬金術の文献まで
古いテキストをひもといたり、
食のポイントであるドラゴンヘッド(ノード)の解釈を
踏まえながら、いろいろご紹介してゆく講座をします。

カイロンやアカデメイアなどの講座はすぐに
満席になってしまってご迷惑をおかけしましたが、
こちらのほうはまだ席に余裕があるとのこと。

ふるってご参加くださいませ。
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_472386.html

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▲緑の獅子に食われる太陽。
錬金術の重要なシンボル。

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February 16, 2009

2月16日 トランスペアレント・タロット

新作タロットではなかなか面白いものが
ないなあと思っていたところ、久々に、
「おお。こ、これは!」というものが届きました。

それは「トランスペアレント・タロット」。
つまり、「透明」タロットなのです。

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ボックスを開けると、そこに含まれている
フルセットのデッキはなんと透明なプラスチック製。
文字通り、「透明」なのです。
これじゃあ、裏から絵が見えてしまって、
占いに使いにくいのでは……と思ったところ、
いやいや、むしろこの透明である特色が
従来のタロットには全くない、新しい解釈の可能性を開くのです。
たとえば、二枚のカードを重ねておいてみる。
「女帝」と「金貨の4」。
女帝のカードには人物が描かれておらず、
花が咲いている丘というシンプルな描写。
さらに金貨の4は、ウエイト-スミス版を踏襲した、
金貨を4枚しっかりと抱え込んでいる人物。
この2枚を重ね合わせると、美しい風景のなかで
金貨を抱きかかえる人物、という新しい絵が浮かび上がるわけです。
こうして従来のデッキにはない「新しい」デザインが
そのたびにつくられてゆく、というしくみ。

3枚重ね合わせることもできますし、
また少しづつ横にずらして並べていくと、まるで絵巻物のように
横長の新しいデザインが出現する。

残念ながらプラスチックという性質上、汚れやすかったり
使っているうちにプリントが薄くなって
しまいそうだなあとは思いますが、
これは本当にユニーク!うならされました。

タロットのなかにはまだまだ
新しい可能性があるのですねえ。

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January 20, 2009

1月20日 太陽系のモデル

○ゴスティーニという会社は、
毎月、付録のついた冊子を発売し、
そこにつけられたパーツを全部コレクションすると
ひとつのまとまったアイテムができあがる、
というしかけを幅広く展開していることで知られていますよね。

たとえば、船体模型ができるとか、なんとか……。
こういうものは魚座で月が牡羊座にある気が短い僕は
まったく向いていないので興味はなかったのですが
今回の企画にはつい、触手が動いてしまいました。

なんと、全惑星がそれぞれの速度で動く
「太陽系儀」が組み立てられるというのです。
ご存知のとおり、惑星の動きは複雑。
星座早見盤で惑星の動きがなかなか再現できないのはそのためです。
ホロスコープはその複雑な惑星の動きを使って
解釈していくわけですがその動きをパソコンではなく、
大雑把にでも具体的な「ブツ」で再現できるととても面白いですよねえ。
ついつい1巻目は購入。
次からどうするか、続けられるかわからないけれど……。

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そういえば、オーストラリアの科学館では
こんなものを購入していました。
これも太陽系儀。「プラネテイカ」という科学玩具
こちらは手動ですが、年・月・日をあわせると
自動的にダイヤルが動いて太陽系の惑星の
おおまかな位置を示すように工夫されています。
どういうしくみでこんなことができるのかしらん?
残念ながらあまり関心を持つ人がいなかったようで、
見本を見てこれがほしい、というと
スタッフの方は倉庫を大捜索してくださり、
残っていた1個を閉館後にひとつ探し出して
売ってくださいました。

今、この瞬間も動き続けている
太陽系の惑星たち。その動きをわが手の中において
見つめるのはなんともいえない快感です。
そしてそれが我らが占星術の
トキメキのベースにもなっているのです。

それから、ひとつ、うれしいニュースが。
以前にお話した、女性誌「フラウ」占い号が
売れ行き絶好調
とのこと。
いつもよりもたくさん刷っている上に
ふだんの倍の速度で売れていると
編集部の方たちからご連絡いただきました。

この分だと売り切れという可能性もあるのでぜひ、お早めに。

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December 02, 2008

12月2日 星の処女神としてのエリザベス女王

ケーブルテレビのLaLa TVが
放映することになったイギリスのドラマの数々。
そのプロモーションのためもあって
エリザベス女王やロビンフッドなどに関する本を
久々に引っ張り出して読んでいます。

面白いのは『処女女王』と呼ばれた
かのエリザベス一世が、占星術モチーフの「処女宮」
つまり乙女座と重ねあわされてイメージされていたという事実です。

星占いの本ではおなじみ、乙女座の来歴の神話を思い起こします。
かつてこの世界に神々と人間が仲良く暮らしていた、
「黄金の時代」がありました。
けれども、だんだんと人は堕落し、銀の時代、青銅の時代へと変遷。
神々は次々に人間を見捨て、天界へと帰っていきました。
最後まで人間を信じていた正義の女神アストレイアでしたが、
ついには人が人を殺す「鉄の時代」になり、
さしものアストレイアも天上へと帰還。
星の世界で乙女座になったということ。
乙女座のとなりの天秤座は
正義の女神のアトリビュートとしての天秤です。

世界の普遍女王としてのエリザベスは、新しい楽園時代、
黄金時代の回復の象徴として、アストライアの再臨として
多くの詩人にも歌われてきました。
実際、エリザベス女王は乙女座の生まれ。
当時描かれた絵画には、地球中心の天球を
星の処女神としてのエリザベス=アストレイアが
支えているという実に印象的なものもあります。
それぞれの惑星の天球に付記された
ラテン語の様々な徳目の名前にも注目。
それらの図像学的解説について詳しくは、
フランセス・イエイツ『星の処女神 エリザベス女王』をご参照を。

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ローマ時代にはアウグストゥス
自分の星座の山羊座をコインに刻んだし、
占星術的なモチーフは歴史の中でイメージ戦略として、
繰り返し使われてきています。

そんなものを探していくのも、占星術ファンとしては楽しいのでは。

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November 17, 2008

11月17日 掘り出し物!!びっくりだ。

土曜日は恵比寿の
アカデメイアさんで講座でした。

冥王星についての講座
実はぼくにとっては単独で
冥王星について話のははじめてのこと。
というのも、やっぱり冥王星って
扱うのが重いんですよね。
死、本能の奥底、この世界の根底、宿命、
人が抱えきるには重過ぎるような財……。
実は月のシンボルとも深いところで通底する、
なんてこともお話しましたが、いかがだったでしょうか。
キャンセル待ちで参加できなかった方、申し訳ありません。

講座のあと、アカデメイアさんが直営される
占いのお店、デルフィーへもちょっとご挨拶。
その後、美青年占い師で俳優・桜倉ケンくん、
そしてまた美人の占星術家・水谷奏音さん、
そして編集のKさんと4人で中華。
楽しい会でした。

ところで、そのお店に行く途中、たまーに立ち寄る
洋書の古本屋さんをのぞいたのですが……。
な、なんと、占星術書が
棚の一角をしめている
ではないですか!
しかもアセラから出ている古典占星術のリプリントやら
ヤコブソンのタイプ版やら、相当マニアックなもの。
イギリスの書店で買うとけっこう
高い値段がつけられるものです。
さすがにすでに所蔵しているものも多かったのですが
それでも、めぼしいものを買占めることができて、
思わぬところで大収穫。
絶版になっているイギリスのアクエリアン・プレスの本とか
AFAから昔出ていたものなど懐かしいものも。
いったいどんな人が放出したんだろうか……。

ほんと、びっくりしました。
東京って面白い街ですよねえ。
みなさんも意外なところで発見があるかもしれませんよ。

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November 10, 2008

11月10日 古星図の魅力

イベントの告知があります。
ひとつはすでに開催が始まっている、
千葉の科学館での展示とそれにまつわる講演会。
実はぼくも知らなかったのですが、千葉の科学館は世界でも有数の
古星図のコレクションを蔵しておられるんです。
その展示を見られる「天球ものがたり 古星図からプラネタリウムへ」
文化の秋にぴったりの企画ですね。
画集でしか見たことのない、
美しい古星図の実物を見ることができます。
また、ぼくのコレクション(17世紀の占星術書など2点)も
同時に展示していただいています。
24日にはぼくが占星術の歴史をご紹介する講演もあります。
▼詳細はこちら
http://www.kagakukanq.com/sp_info/detail.php?information_id=243

それから時期は前後しますが
19日には東京駅近くの八重洲ブックセンターで、
最近、『空亡占い』(ランダムハウス講談社)を出された
荒井ヒロ子さんと一緒にトークショーとサイン会
東西の占い談義ができるかなあと思っています。
荒井さん、占いもさることながら
その明るいお人柄で各界にファンをもつ人なんですよ。
▼詳細はこちら
http://www.randomhouse-kodansha.co.jp/news/index.php

星図にしても東洋の星占いにしても、
改めて考えるのは人のイマジネーションの豊かさ。

星をつむいでそこにさまざまなイメージを
投影してきた壮大な人類の営みが占星術の基盤。
心理学者のユングやジェイムズ・ヒルマンは
「魂の詩的な基礎」なんて言い方をしていますが
古い星座絵を見ているとそんなことを思い出します。

そうそう、携帯サイト『鏡リュウジ☆恋占術』
ご利用くださっている方には朗報。
再び、ハウスという概念を使ったメニューを取り入れることが
できるようになりました。
より詳細な診断を楽しんでいただけますので、ぜひ。
土曜日には、雑誌バイラとリシュモンの
主催のトークイベントだったんですが、
バイラのカバーモデル、理衣さんも
ぼくの携帯サイトを使っていてくださるそうです!
ジェシカちゃんもそうだったけど、
モデルさんも利用してくださっているとなると
ますますパワーアップしていかないといけないと思いました!

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October 24, 2008

10月24日 ハロウイン・ウイーク

ハロウインの季節がやってきました。
魔法の世界にかかわるものとしては
とても重要なこの時期。
秋分と冬至のちょうど真ん中のこの日は
もともとケルトの新年でもありました。
サオインという呼び名で知られる聖なる日だったのです。
サオインには、この世界とあの世を隔てる帳が薄くなり、
妖精や精霊たちがこの世界へとやってきます。
また妖精にとらわれてしまうこともあるといいます。
ハロウインのころには、不思議な現象に出会ったり
占いがよく当たったり
ということもありそう。
ぜひ、みなさんも試してみて。

さて、この週には講座もあります。
かねてからお知らせしている速水健朗さんとの
「自分探しと運命」
。朝日カルチャー新宿です。

また少し先ですがお世話になっている
説話社さんの主催のお食事つきセミナーも。
こちらはロマンチックに薔薇と金星についてお話をします。
http://www.setsuwa.co.jp/
このセミナー、これ自体が一種の
魔法の儀式のようなものだと思っています。

愛の星、金星のパワーをひきよせたいかたはぜひ。

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October 16, 2008

10月16日 角製のルーン

ルーン文字の神託キットといえば
ぼくも『神聖ルーンタロット』という
カードつきの本を出しているし、
これまでにも翻訳した本には素焼きのものがついていました。
人気があるのは、クリスタルなどパワーストーン類に
ルーンを刻んだものもありますね。

いっときは何万円という
びっくりする値段で売られていたこともありましたが、
最近ではリーズナブルになっているよう。
もちろん、自作することもできます。
おはじきにマジックとかマニキュアでルーンを描く、
といったことでもいいのですから。

ところでぼくのコレクションのなかで
これは、というルーンは鹿の角で作ったもの

081016

イギリスのオカルトショップで見つけたものですが
ある種の鹿の角を輪切りにして、そこにルーン文字を描いてあります。
大小があるので、もしかして慣れてしまえば
「盲牌」(感触だけでどのチップかわかってしまう)
できちゃうってこともあるかもしれません。
かなり野趣あふれる製法ではありますが
古代のヴァイキングのあらぶる世界をイメージさせるには十分。
野生のなかに眠る知性がこのなかにはあるような気がしてきます。
天の美しい秩序に思考のすべてをささげて生み出された
占星術やルネサンスの貴族の寓意趣味から生まれたタロットとは
また異なる、荒削りだけれどパワフルな
魔法象徴
がここにはあるような気がします。

もちろん、現代のルーン占いは、ほかの多くの占いの例にもれず
近代に入ってから再創造されたものだとは思いますが
シンプルな文字のなかに豊かなイマジネーションを
かきたてるということでは実にユニーク。

ぼくのサイトでも、ルーン占いは試せますから
ぜひやってみてくださいね。(宣伝ごめんなさい)
http://uranai.nifty.com/cs/catalog/uranai_menu/service/1.htm?t1=service00053

また、ほかにも面白い占いグッズのコレクションはご紹介していきたいと
思います。

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August 25, 2008

8月25日 タロットかタロウか? ウラヌス星風氏の記事

NHK BS2、
「週刊ブックレビュー」ごらんいただけましたか?
わかりやすく話せたかどうかはわからないですが
少しは反響があるといいなと思っています。

ところで収録でお目にかかった、翻訳家の金原瑞人先生と
楽屋で思いがけずタロット(タロウ)談義で盛り上がりました。
先生から、「荒井良二さんとタロットを
作っておられるんですね」とお声をかけていただき、
それからいきなり、「で、ウラヌス星風さんが」という言葉が。
これには本当に驚きました。
ウラヌス星風さんといえば、ぼくたちの世代からすると、
『奇想天外』という雑誌で、
あの種村季弘氏を「ドロボウ」呼ばわりし、
タロットではなくタロウという発音を
普及させるべきだと主張した伝説の人物なのです。
この論争が起こったのは1974年ごろ。
68年生まれのぼくからするとすでに「過去」のことであって、
木星王さんらの本でその逸話を読んだ、という記憶しかありません。
もちろん、図書館を探せばこの記事も
見つけられていたのでしょうが元来、
怠け者のぼくはその努力を怠っていたのでした。
そんな話を漏らしたら、「うちにありますよ」ということで
「送りますよ」と。
社交辞令かと思っていたら、すぐにご送付いただき、
本当に感謝しています。
当時のタロット熱やパルコが
文化をリードしていた様子
なども伝わってきます。
本当にありがとうございました。

今では僕もタロットと表記していますが、
もちろん、英国を尋ねたときはタロウ。
ウラヌス氏は、タロットが日本に紹介されたときに
タロウという発音に「今なら直せる」と考えられていたようですが
日本では完全に「タロット」になってしまいました。
うーむ。
まあ、今ではタロットは英語圏、
仏語圏ではタロウと発音するというのは
ほとんどすべての人が知っていますから、
少しはお許しいただければと思います。

こうした先輩たちのおかげで、
今の日本のタロット文化もあるんだなと
感慨を深くしたのでした。

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July 15, 2008

7月15日 【嬬恋】野外フェスから、ケルトから北欧の女神との出会い!

東京での梅雨明けはまだだというものの、猛暑が続きますね。
みなさんはお元気でしょうか。

このところ連日イベントが続き、原稿が押せ押せ。
鋭意やっています。

先日はご紹介した
日本トランスパーソナル学会の2年に一度の大会で、
日本でのトランスパーソナル心理学のシーンを
リードされてきた菅靖彦さん、また作家の
田口ランデイさんと語り合いました。
田口さんとは久しぶりにお会いしたのですが
更にぐっとパワーが増しておられたような気がします。

今日はさきほどまで講談社「グラツイア」誌と
ジュエリーの「ショパール」のイベント
ラグジュアリーな雰囲気漂う銀座のショパールブテイックで
月と運命をテーマにお話させていただきました。
鏡リュウジの恋愛月占術」でもご紹介している
ルネーション占星術についてもお披露目し、
とても喜んでいただきました。
生まれたときの月の形とその変化のときが
面白いほどに人生の転機と合致しているのを
みなさん、体験されていたようです。

そして今週末は、もしかしたらこのブログを
読んでくださっている方のなかにもいらっしゃる方が
いるんじゃないでしょうか。
小林武史さん率いるap bankが環境問題への
とりくみのために毎年、主催されている
野外音楽フェス、ap bank fes08に出演します。
http://www.apbank-ecoreso.jp/08/about/
このなかのap bank dialogueです。
Mr.Children、レミオロメンさんら
豪華アーテイストが集結する夏の一大イベント。
そのなかの一部で、星と環境意識について
お話しする
ことになりました。
トークでご一緒するのは、天文学の佐治春夫先生、
冒険家の石川直樹くんという、これもまた豪華なメンバー。
チケットはもちろん完売だと思いますが、
もしいらっしゃる方がいれば
こちらのトークもよろしくお願いします。

さらにさらに来週、7月23日は
朝日カルチャーセンター新宿にて、
鶴岡真弓先生と対談講座があります。
鶴岡先生のことはもうご存知かと思いますが
日本におけるケルト研究の第一人者。
鮮烈なそのご著書「ケルト 装飾的思考」を
学生だったころのぼくが読んだときの興奮といったら。
先生は最近、北欧の女神の象徴の研究も
発表されていますが、そうした女神象徴について
いろいろお話を伺うつもりです。
鶴岡先生は本当に魅力的な方。
来そこねるのは損だと思いますね!!
詳細は下記をご確認ください。
http://www.asahiculture-shinjuku.com/floor7/

最後に・・・もうひとつ、宣伝させてくださいませ。

うちのオカン(母ですな)、きもの研究家の服部和子
今月20日オンエアのテレビ番組
「ソロモン流」(TV東京系)に出演します
この番組は「情熱大陸」のあとに僕自身も
お世話になりましたが、ちょっと裏話をすると
その収録のときのアシスタント・デイレクターだった方が
うちの母のことを気に入ってくださり、
このたびデイレクターに昇進された折に、
わざわざ企画として出してくださって成立したもの。
僕自身も、母との食事シーンでちらりと出演するかと思います。
京都や東京のグルメ情報もありますので
もしよかったら是非、ご覧くださいませ。

本当はこのところ読んだ本なども
ご紹介したいのですが
あまり長くなるのもなんなので、
今日はこのあたりで。

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July 08, 2008

7月8日 七夕に萩尾望都先生と記者会見!

香港から無事戻りました。
美食三昧の日々。
なかなか珍道中でしたが、
旅の思い出はまたご報告しますね。

ところで帰国した翌日、星祭りの七夕。
ぼくはといえばなんと、少女マンガ界の神様
萩尾望都先生と記者発表会見でご一緒していました。

なぜ??
と思われますよね。
今回、萩尾先生のSF大作『マージナル』が舞台化されます。
脚本は、倉田淳先生。
これまでにも萩尾先生の作品を舞台化されている方で、
演じるのは劇団は「スタジオライフ」
その記者発表が、劇団のファンクラブの方も
交えて行われるということで、
この作品の世界を少しばかり
ぼくも語らせていただけることになったのでした。
今回は萩尾先生からお声をかけていただき、
とても恐縮しておりました。

しかしこの作品、凄い話です。
恥ずかしながら今回、初めて
読ませていただいたのですが圧倒されました
とても一言ではいえません。

ある種の病原菌が原因で
男性ばかりが生まれるようになってしまった未来の地球。
そこにはたった一人の「母」がいるという設定。
つまり、「ミツバチ型社会」(ミツバチのコロニーは
女王蜂1匹にたいして何千、何万もの、その子供である
雄の働き蜂で構成される)を想定しています。
しかし、ここで「母」を絶対化して
地球=グレートマザー=生命、といったイージーな
連想関係で結ばれるような、神話的フェミニズムには
この話は流れていかないところがすごい。

唯一の「母」(マザ)の存在は、その実、
高度なテクノロジーによって管理されているのです。

サイボーグ的フェミニズムと呼ばれる潮流を先取り
あるいは底通していたのではないかとさえ思われます。

神秘化された生命原理、
身体原理を女性と直結させることを、
テクノロジーが管理する母という設定をもつことで拒否し、
その上でそれぞれの立場の生き方、苦悩を描こうとする。
この漫画は、ぼくが勝手にステレオタイプ化してナメていた
「少女漫画」の世界のイメージ(本当にごめんなさい)を
完全に突き崩してくれました。

この世界観を舞台でどのように表現されるのか、
とても楽しみでもあります。

詳しくはこちらをごらんください。

http://www.studio-life.com/stage/marginal/index.html

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June 20, 2008

6月20日 日本文化デザイン会議08、リレートーク

ここ数年来、メンバーに加わっている日本文化デザイン会議

さまざまなクリエーターや芸術家、学者のみなさんと
交流できる楽しい機会なのですが
今年は第30回記念とのことで本会議の前に、
プレ会議がリレートークで開催されています。

リレートークといっても
何の打ち合わせもなしで「ぶっつけ本番」とのこと。
ぼくの会は、6月28日で佐伯順子先生を中心に
漫画家のしりあがり寿氏、
作詞家でプロデューサーのサエキけんぞう氏、
批評家・東浩紀氏と話を展開してゆく予定。
とはいえ、ジャンルもばらばらのこのメンバー、
話がどんなふうに転がるか、楽しみなような怖いような。

お時間ある方はぜひいらしてください。
場所は東京、赤坂。
詳しくはこちら。

http://www.jidf.net/anv30/pre/

さてさて、なかなか原稿が進まない今日。
うれしいニュースが届きました。
みなさん、ご存知だと思いますが
荒井良二先生とご一緒してつくった
「はじめてのタロット」(ホーム社・集英社)が
またまた重版になったとのこと。
続編の「はじめての占星術」
タロットの勢いには及ばないものの、好評な様子。
タロットマニア以外の幅広い層からも
支持されているようでとてもうれしいです。

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June 12, 2008

6月12日 母校で講演!

我が愛する母校、ICU(国際基督教大学)で
講演
をしてきました。
いや、講演といっても、同期のキャスター、
渡辺真理さんとかけあいでやる気楽な形式のもの。
うちの大学には、同窓会と大学側が協力して
ICU出身者で学生が話を聞いてみたいと
考える人を呼んで講演させ、
交流することを目的にしたサークルが存在します。

もともとはICU創立50周年を記念して立ち上がった企画で
以前もぼくはお世話になってはいたのですが、
それが発端になり、いまでも卒業生と在校生を
つなぐための講演シリーズが続いているというわけ。

今回は、渡辺真理さんと僕がICUについて
語り合うという趣旨でしたが
学生の方からも次々に質問が飛び出し、
とても楽しいひと時を過ごさせていただきました。
思い出深い図書館に足を運んだら、
なんと、今回の講演に合わせて
「鏡リュウジ関連図書」の展示が

2008061116170000

『魂のコード』『内なる惑星』をはじめ、
ややかための僕の翻訳書が展示されていて
すごく誇らしい気分に。
キリスト教としては占星術は「異端」でしょうに、
僕なんかを講演に呼んでいただけるというのは、
我が大学の懐が深い証拠。
雨上がりのキャンパスの緑もきれいで、
またちょくちょくいきたくなってしまいました。

そうそう、それからもうひとつ、ご報告。
今年で不惑を迎え(とはいえ惑いっぱなし!)たぼくは、
いい歳をしているくせにみなさまの
お役になかなかたてていないなと思っていたところ、
このたび、「世界の子どもにワクチンを」という
団体(特定非営利活動法人)の
スペシャル・サポーターに任命されました

ぼくも改めて現実を知らされて驚いたのですが
ワクチンの接種ができないために
命を落としていく子供たちが
いまでも大変な数にのぼるとのこと。
もし機会があれば、この団体のサイトなどを
見て活動を知っていただければ幸いです。
ぼくがまだメッセージを送っていないので
ぼくのことはサイトにはアップされていませんが
詳しくはこちら。

http://www.jcv-jp.org/index.php

「星の下にみんなつながっている」
Under the fellowship of stars
をぼくの心の合言葉に、
もしできるなら今後チャリテイの活動もできれば
なんて夢想しています。

 

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June 11, 2008

6月11日 日本トランスパーソナル学会 大会開催

僕が理事を勤めさせていただいている
「日本トランスパーソナル学会」は、
心理学、医療、科学、芸術、セラピーといった
ジャンルを横断していかに「個を超える」ことが可能か、
あるいは近代のもつ世界観をいかに超克できるか
模索、探求する学会です。

昨今話題になっている「スピリチュアリテイ」について
探求しているということにもなります。

この学会では2年に1度、大会を開催しています。
一般の方の参加ももちろんオーケー。

僕も講演、対談(田口ランデイ氏と)させていただきます。

みなさんの参加をお待ちしています。
http://transpersonal.jp/taikai8


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April 22, 2008

4月22日 昼むかしはいけない

河合隼雄先生の追悼シンポジウムで耳に残った言葉。

民俗学、東北学の赤坂憲雄先生が
おっしゃったことなのですが、
かつては「昼むかしはいけない。
したらネズミが小便をする」
などといったそうです。
夜むかし、とは夜に昔話をするということ。
昔話、伝承というのは、特別な、ハレのときにのみに
語られていたということです。

昼間に昔話をするということは
神話的な時間が日常のなかに
入り込んでしまうということなのでしょう。

占いや魔法の世界というのも、
実は一種の「昔話」のようなもの。
昼間の科学の目で見ると、
かそけきその存在は消えてしまうかもしれません。
僕たちはついつい忘れがちになってしまいますが、
スピリチュアルな世界というのはやはり「夜」の営みなのです。

その夜の時間と昼の時間の境界を大事にしながら
進んでいきたいと思います。

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March 24, 2008

3月24日 講座のお知らせ

すっかり春めいてきましたね。
占星術上のお正月、春分もすぎて(太陽は牡羊座へ)
新しいスタートです。

講座のほうもいろいろあります。
ひとつは、新しい占いスクール「カイロン」
伊泉龍一さんとダブルキャストで行う対談講座
こちらはタロットの絵札の数枚を取り上げて
その解釈の変遷から時代の意識の変化をみていこうというもの。
普通の占い講座では扱えないようなメタなレベルでの話しを
展開できそうな気がします。
少人数で行う予定。
まだ席はあります。
詳しくはこちら。
http://www.chiron-school.com/curriculum/oneday.html

また朝日カルチャーセンター新宿では
単独で「運命の心理学」について
二回にわたって話をしようと思っています。
大好評だった名越先生との対談講座をふりかえりつつ
しっかりと運命の感覚について
考えていることをお話していこうかと。
http://www.acc-web.co.jp/sinjyuku/0804koza/A0402.html

ぜひ参加をお待ちしています。

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March 04, 2008

3月4日 イギリスとの縁 

毎年必ず1度は「英国」にいく僕。
いつの間にかイギリスとは深い縁が生まれています。

そのご縁で、イギリス政府観光局が主催している
キャンペーン「英国式幸福論。」に参加させていただきました。
先日は、そのフィナーレのパーティ。
英国政府観光局のみなさんやそのほか
イギリスにゆかりの深い方々とおしゃべりをするひと時。
とても楽しく過ごしました。

面白いことに、イギリスは見る人によって
その姿がぜんぜん違うのですよね。
それだけ奥が深い、ということでしょうか。

それから今月、もうひとつ講座があります。
NHK文化センター青山
タロットの歴史についての1時間半
ぜひお待ちしています。

詳しくはこちら。
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_453552.html

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February 19, 2008

2月19日 オリジナル・タロット発売!

昨日の名越康文先生との対談は
実に、スリリングでした。
キャンセル待ちで受講できなかった方はごめんなさい。

名越先生の絶妙なリードに乗せられて、
「アブナイ」発言をしてしまったかも。
久々に熱気につつまれた対談になりました。

それから、携帯サイト「鏡リュウジ☆恋占術」公認の
オリジナル・タロットが発売になっています。
ボックス入りの豪華キットと
スタンダード版の二種類があります。
堀内亜紀さん画による、本格的なもので78枚フルセット

Photo_3

小アルカナはウエイト=スミス版に依拠した絵札になっているので
イマジネーションも沸きやすいと思います。
今までご紹介しなかったのは、実は限定発売だったため。
携帯サイトの方から購入していただけますが、
残部希少なのでお早めに。

Photo_2

とはいえ、最近、講座にしても告知が遅れてしまってすみません。
告知されたときにはもうキャンセル待ち、
なんてことのないようにしますね。

本当にみなさん、ありがとう!

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February 12, 2008

2月12日 運命の心理学

寒い日が続きますがみなさん、お元気ですか?
風邪やインフルエンザが流行していますから
ほんと、気をつけて。

さて、僕はこの三連休のなかの1日、静岡にいってまいりました。
朝日テレビカルチャーセンター主催の講座と
静岡在住の占星術家・杜香里先生主催の
もう少しプライベートな講座の2本立て。
二つとも大盛況で、サイン会では行列の最後の方には1時間ほど
待っていただくことになり申し訳なく思っておりました。
一人で泊まったホテルでは、鉄板焼きのカウンターで料理人の方と
楽しくお話したり、マネージャーさんからお勧めの静岡名物、
うなぎのお店を教えていただいたりで心温まるひと時。
翌日、快晴の空の下見た富士山は最高でしたね。

さてそんななか、講座がまたいくつかあります。
もはやホームグラウンドともなった
朝日カルチャー新宿では、TVでもおなじみ、精神科医の
名越康文先生と対談で「運命の心理学」2月18日です。
科学たろうと苦闘してきた心理学では、
基本的に「運命」の存在を扱うことはできません。
しかし臨床現場においては、人が運命的なものを
実感してしまうことは、これもまた否定できない。
ぼくもこれまでごく私的なところで臨床心理学者の方などには
「きみらはいいね、運命とか表立って言えるんだものねえ」などと
ため息をつかれたこともあります。
運命論を文字通りにとるとトンデモない迷信に落ち込む。
けれども、科学的たろうとして運命を排除して語ろうとすると
何かがたりない気がする

Img047_2

そのあわいについて、お話をしていきたいと思っています。
名越先生にはこれまで何度かお会いしているのですが、
テレビで拝見するソフトな印象もそのままに、しかし、
心理の深いところまで察知しておられる方だと感じています。
不思議な人の縁などについてお話を伺うつもりです。
ジェイムズ・ヒルマンの『魂のコード』や
リズ・グリーンの著書なども参考にしながら
お話を進めていきたいとおもっています。
http://www.acc-web.co.jp/sinjyuku/0801koza/A0101.html#

また名古屋でのNHK文化センターでは
メナードと共催での講座が。
こちらは残席が少ないとのことでお申し込みはお早めに。
スケジュールは2月23日
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_456585.html

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January 22, 2008

1月22日 ルネサンスにおける惑星の子供たち

どうも、最近のぼくは
本を見つける才能が乏しくなっているようです。
忙しさにかまけてチェックを怠っているのでしょうね。

たとえば数日前に、待ち合わせには少し時間があるからと
渋谷のBUNKAMURAによったとき、
そのギャラリーブックショップで見つけたのがこの本。

200801211818000_3

G.トロッテン著 伊藤博明・星野徹訳
『ウェヌスの子どもたち 美術と占星術』ありな書房刊。
奥付をみるとなんと昨年、
07年の9月に刊行されているではありませんか。
刊行されてから数ヶ月もたっていたんですねえ。
もちろん、あわてて買い込み、
待ち合わせに遅れるのもかまわない!と
隣のドウ・マゴ・カフェでページを開き始めたのでした。

ありな書房は、図像学の重要な文献を
(おそらく採算度外視で)出版されている貴重な出版社です。
絵画を一種の図像のテキストとして解読してゆくという、その方法論を
ワールブルグは「イコノロジー」として言葉にしたわけですが、
そのときにワールブルグが最初にとりあげたのが
イタリアのフェラーラのスキファノイア宮での
巨大な暦絵でありました。
ワールブルグはそこに描かれていた占星術図像が、
エジプトーギリシャーインドーアラビアといった経路を迂回して
再びルネサンス時代に西ヨーロッパに
「再生」したことを示したのです。
これは1912年の講演において、とされていて
それはやはり、ありな書房から
伊藤博明先生の手で翻訳されています。
ワールブルグといえば、その財力を持って集められた
膨大な資料とそれを収めた図書館が有名で、
その資料と方法論を受け継ぐ研究者たちが次々に現れ、
『ワールブルグ学派』などと呼ばれるようになります。
そして、イコノロジーという言葉が最初に用いられたときに
占星術のシンボルが重要な役割を果たしたことから、
占星術や魔術、ヘルメス思想といった、
それまでただの歴史の傍注にすぎないと思われていた主題が、
美術史においてきわめて重要なものとなっていったわけです。
以後、ワールブルグの収集した図像や文献を用い、
その方法論の影響を受けた学者たちが次々に
ルネサンスの時代に花開いた、
いわゆる「オカルト」に注目を始めたのでした。
そして、当然、その流れは美術の枠内には収まらず、
ひろく History of Ideas と呼ぶべき
広い文脈で扱われるようになりました。

ワールブルグ派の仕事は、
ぼくたち占星術や魔術の愛好家にとっては
なくてはならない宝の山なのです。
そして、今回翻訳された「ウエヌスの子どもたち」も
そんな貴重な資料のひとつ。

この本は、名前のとおり、
「ウエヌス(ヴィーナス)の子供」について論じているものです。
ヴィーナス、ギリシャのアフロデイテの子供といえば
クピド(エロス)のことですから
キューピッドやエロスの図像学かとお思いかもしれませんが、
これは間違い。
ルネサンス以降、ヨーロッパではよく
「惑星の子供たち」というモチーフが描かれます。

余談になりますが、僕が始めて「惑星の子供たち」に
ついて知ったのは10代はじめのころだったと思うのですが、
結城モイラさんがお書きになったカード占い本でした。
惑星のイメージをカード化して占うというしくみのセットで
今でもこのセットはぼくの実家にあるはず。
メルヘンチックなイラストの占いカードが多い中、このセットでは
ドイツルネサンスのころの版画がそのまま用いられていて、
子供ながらに驚いたことをよく覚えています。
太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星という7つの惑星を描く、
7枚の絵が複製されていたのです。
(たしか15世紀ドイツの「ハウスブーフの惑星の子供たち」
からのものだったのではないだろうか)
それぞれの惑星は人格化され、戦車(というか山車)にのり、
天空を進んでいきます。
惑星の神の眼下に広がる地上には
それぞれの惑星がつかさどる営み…
たとえば金星なら音楽だとか恋を語り合うこととか…
が描かれているわけです。
つまり「金星の子どもたち」といえば、
ウエヌスの性質を受け継ぎ、その営みに従事する人々、
ということにほかなりません。
トロッテンのこの本はいかにこうした絵画が生まれ、発展してきたか
実に豊富な資料を使って解き明かそうとしています。

10代のころに胸をときめかせて眺めていた、あの謎めいた
図版にたいしての学問的な解釈が1995年にフランスで刊行され、
それからまた12年(木星回帰!)して日本語になって
読めるということを考えると実に感慨深いものがあります。
とくに興味深いのは、
キリスト教という文脈のなかで
金星のもつ、その身体性、性的なイメージが
どのように扱われていったのか、馴化されるのか、
あるいはキリスト教的アレゴリーとしてみなされるのか、
ないしはルネサンス的文脈のなかで
むしろ礼賛されることもあったのか、などなどです。
これは現代人が「愛」をどのように考えるか、
ということを課題にするときにも重要なヒントを
与えてくれるのではないでしょうか。

このタイプの本としてはザクスル、パノフスキーなどが
共著で著した『土星とメランコリー』が有名ですが、
土星の暗鬱なイメージと同様に、金星の楽しげで同時に
罪深い(金星は色欲の神でした)も重要であり、
こうした資料をおしげもなく紹介してくれる
こうした研究は、実にありがたいし、
興味のつきない話題を提供してくれているのです。

ラテン語もできない僕にしてみると、
原典研究などはとてもできないわけですが、
しかし、こうした資料からできるだけ学び、
そこからイメージを広げていくことができれば
いいなと思っています。
しかもこの翻訳は非常に読みやすく、
僕にすると何重にもありがたい本になっています。


また金星といえばロンドンのウオーバーグ研究所で研究された
森正樹さんの『偽ジョン・デイーの金星の小冊子』という
巨大な研究書もリーベル出版というところからでていて
すぐに買いました。

これについてはまた長くなりそうなので、こんどまた。
金星の神霊を呼び出すための魔術書の研究です。
こんなものが出る時代になったんですねえ。

Posted by 鏡リュウジ  文化・芸術 |

January 15, 2008

1月15日 FRaU 星座と運命号、発売!

おまたせしました。
ひさびさのFRaU誌、星座と運命号
発売になっています。
今回は08年の星座別トレンド、
そして水晶玉子氏とのコラボレーションによる
オリエンタル占星術(宿曜)×星座の詳細な
性格分析、さらに36星座占いなどなどもりだくさん。
ぜひ、お手元に!!
お買い得です。

昨日は京都造形芸術大学で
鎌田東二先生を中心とした研究会でした。
研究会は大いにもりあがりました。
占星術にたいしてのぼくのアンビバレントな
態度にたいして、先生方は「そんなに遠慮しなくてもいいのに」
「そんなに防衛的にならずとも大丈夫」といった
雰囲気で逆に暖かく迎えてくださいました。
この発表はモノ学の研究雑誌に掲載されるはずです。

さて、京都でいつも思うのはその書店の充実具合。
ファッションビルの上に入っている書店にふらっといっても
人文書の品揃えは東京よりもずっといいかもしれません。
京都ってやはり学生や研究者の街でもあるんですね。
思わず1万円札を何枚も使って本を買い込むことに…。

ランチは、東京の代官山に本店がある「カノビアーノ」の京都店にて。
お店に入ると、店長のかたがぼくのことを知っていてくださって
とてもよくしてくださいました。
カノビアーノは京野菜をふんだんに使った
ユニークなメニューが特徴。
イタリアンであってイタリアンではない、というかんじです。
とくに女性の方にはおすすめのお店。
機会があればぜひ。

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January 10, 2008

1月10日 生きた「モノ学」としての占星術

2008年があけてあっという間に時間がすぎていきます。
すでに締め切りもたくさんきてしまって…。
そんななか、今週末もまた京都。
京都造形大学で、鎌田東二先生が中心になって
やっておられる「モノ学研究会」での発表です。

モノ学とは何か。
詳しくはhttp://homepage2.nifty.com/mono-gaku/
をごらんいただきたいのですが、ぼくなりに考えると、
西洋ないし近代がかかえている精神と物質という
ダイコトミー(二項対立)を、
その両者を同時に意味することができる日本語の
「モノ」という概念を軸に乗り越えようという試みのこと。
ほら、日本語のモノというのは
単に物質を意味することもあれば、
「もののけ」(物化)とか「物語」「もののふ」
「もののあはれ」といった用法にあらわれるように
心や魂を内包することもありますよね。
このモノという言葉を軸に分野を横断して
学際的にさまざまな方が意見を出されています。

考えてみれば占星術は西洋において
そんな「モノ」的概念を今なお、抱え込んでいる営みです。
月はぼくたちにとっては単なる岩の塊ではない。
それは天体であると同時に女神であり、母なるものでもあり、
母が愛する子供であり、ぼくたちの本能でもある。
金星は硫酸のガスに覆われた高温の惑星であると同時に
夕闇に輝き恋人たちを祝福する愛の女神でもある。
チャートの上を移ろう星影をおいかけながら
ぼくたち占星術の徒は、神話の神々と
心の動きを同時に透かし見ようとするわけです。

占星術自体ももちろん、時代のなかで
「個人化」したり「内面化」したりしたとはいえ、
惑星のイメージの基本的な内容は、二千年近くも
かわっておらず、広範囲な文化のなかでの
重要なシンボルの生きた遺産となって
現代文化のなかであちこちに姿を現しています。
このことは本当に驚くべきことではないでしょうか。

最近、翻訳出版した『神々の物語』(柏書房)などには
そうした神話のいきいきとした解釈が収められています。
ぜひみてくださいね。
フルカラーで見る神話の世界は本当に魅力的です。

また元型的心理学で重要になる
「たましい」(魂)という言葉は、
ジェイムズ・ヒルマンという心理学者が西洋的な言い方で
「モノ」を概念化したものだということもできると思います。
ヒルマンによればたましいとは
「出来事を経験に深め」る「見方」であり
精神と物質をつなぐもの、だということになります。
魂については、これまた拙訳『魂のコード』などを
ごらんいただきたいのですが
サイトで展開している「ソウルフル・タロット」でわざわざ
「ソウル」(魂)という言葉をつけたのも、
そんなニュアンスがこめられているのでした。
サイトを楽しんでいただくと同時に、
そんなことも考えていただけるとうれしいです。

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December 03, 2007

12月3日 クリスマス・トークショー

クリスマスの準備はできましたか?
またまたお知らせが遅くなってしまいましたが
パルコとアンアンの共同主催で
クリスマス・トークショーを行います。
4日まで申し込めるようなので
ぜひぜひ。
くわしくはこら。
素敵なライブもありますよ。


https://www.dpcity.com/forms/parco/shibuya/kagami/

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November 22, 2007

11月22日 日本文化デザインフォーラムに参加します!

すみません、告知が遅くなりました。

伝統ある文化のお祭り、
日本文化デザインフォーラム
今年も参加させていただきます。
日本中の名だたるクリエイターが集まって
年に一度開催されるお祭り(とぼくは理解している)
があるんです。

明日からなんですがもしお近くの方は、
あるいは遠方の方もこれは面白い方たちと
すぐそばでお会いできる稀有なチャンス。
ぜひご参加くださいませ。
詳しくはこちら。

http://www.jidf.net/topics/2007/20071105.php

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November 13, 2007

11月13日 セミナー、セミナー!

街には早くもクリスマスの飾りが見え出しましたね。
ほんとに早いものです。
さて、今日は12月と1月のセミナーやイベントのお知らせ。
12月1日には説話社さんの主宰で
「フォーチュンセミナー」大予言大会が開催されます。
マドモアゼル愛先生エミール・シェラザード先生という
占い界の大先輩とご一緒して
08年の星の動きをあれこれ読み解こうというお祭り。

http://www.setsuwa.co.jp/09_event/event_index.html

また来年1月6日には
大阪の朝日カルチャーセンターで
「星読み」の石井ゆかりさんとコンビで
08年の星について、考えていこうというセミナーです。
こちらは大人気のようで講座受付が始まると
すぐにいっぱいになってしまいそうな気配。
お申し込みはお早めに。
http://www.asahi-culture.co.jp 

申し込みは今月24日朝9時半から電話のみ、
ということだそうです。

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November 05, 2007

11月5日 水星ペンダント 発見!

いやーーはじまりました。
毎年の忙しいシーズン。
「来年の占星術特集」を組む雑誌が多く、
この時期は原稿に追われるのですが
その一方でトークショーや講演なども多く
毎週のように地方にも足を伸ばしています。
昨日は宇都宮の妖精ミュージアムで
「妖精と運命の不思議」についてお話をしました。
妖精Fairyの語源はfata、つまり「運命」なんです。
モイラやノルンなど運命をつかさどる三人の女神は妖精の前身でもあり
そしてまたそのはるかな前身は旧石器時代にまでさかのぼる
月と大地のグレートマザーだとぼくは思っています。
タロットの「運命の輪」などの図像やおとぎ話、
運命の女神の寓意などを用いながら妖精について語りました。
お招きくださった井村君江先生も喜んでくださったようで
ほっとしました。

来週は大阪の書店でのサイン会と東京でのイベント、
そしてその次の週は姫路での文化デザイン会議に出席。

そんなこんなでお受けできない取材やご依頼もあって
申し訳なく思っています。

こんな時期に、ちょっと珍しいアクセサリーを見つけたので購入。
ふだんはアクセサリーなどはほとんどつけないのですが
これはちょっと面白かったので。
水星のマークをかたどったペンダント
グッチなんかには星座マークのペンダントもありますが
惑星のマークというのはあまりない。

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シルバーなのに割といいお値段したんですが、若者向きのブランドなんだろうか。
ま、このあわただしい時期、翼をつけたサンダルをはいた
駿足の神ヘルメス(水星)のご利益にあずかろうと、
さっそくこのペンダントをつけています。

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October 05, 2007

10月5日 錬金術寓意画タロット

昨日は、ドーキンスの挑発的な本に刺激を受けて
長々と書いてしまったので、今日は気楽に。
続きは近々アップします。

なにしろ、『神は妄想である』も
読み始めたばかりで評価もなにもできないし。

さてそうこうしているうちに
また新しいタロットコレクションが増えました。
Alchemical Emblem Tarot
というもので100部限定版。
通しナンバーつきで100部のうちの70番の番号がついています。
デザインはF.J.Campos氏。
発行人は、錬金術研究では世界的に知られている
アダム・マクリーンです。
古い錬金術の寓意画を下敷きに新たにタロットのモチーフを
デザインしたものでなかなか風格があるデッキ。

Img040_3

22枚の切り札だけなのは残念ですが、
凝ったシンボリズムがほどこされていそうなかんじ。
ブックレットもなにもなく、製作者がどのような意図と
解釈をつけたのかいまひとつわからないのも残念なんですが、
しかしユングの本などを参考に独自の解釈も楽しめそうですね。

ところでこのアダム・マクリーンという研究者は
この世界では知らぬものなき第一人者なのですが、
歴史的なことをきちんと押さえた上でも、
錬金術のスピリチュアルな価値を信じているという意味で、
西洋ではめずらしい(神学者などはのぞくとして)「霊的知識人」のひとり
ほかにはジョスリン・ゴドウインあたりでしょうか。
不勉強だったのですが、マクリーンは現代タロットの収集家でもあり
またタロットの発行人でもあったのですね。
こういう趣味性がなんともイギリスらしい。

さて、僕自身の近況です。
秋は危険な季節です。
おいしいものがたくさんあるし
なんだかんだと週末には友人たちがきてくれるので
ついつい食べ過ぎてしまいます。
もともと太りにくい体質なのでダイエットなど
したことないのですがさすがに体が重くなり、
時間をみつけてはプールにいったり
昼は軽くおそばだけ、なんてことをしていますが、
いつまで続くやら。

ではまた。

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September 26, 2007

9月26日 アヴァロニアン

国立天文台の渡部潤一先生との対談
好評のうちに終わりました。

そのあと、先生と編集Iさん、デザイナーMさんと
打ち上げのような食事。
すごく盛り上がりました。

今度星を見るツアーを企画しよう、なんて
勢いでいっていましたが、本当に実現したいですね。
Astronomerはちょっと変えれば
Gastronomer(美食家)になる、なんて
渡部先生はおっしゃっていましたが、
そのとおり本当に健啖家でいらっしゃる。
楽しいひと時を過ごさせていただきました。

今週の金曜日は宗教人類学者の植島啓司先生との対談です。
テーマは「聖地」

ぼくはイギリスのストンヘンジ、エイヴエリー、
グラストンベリー、セントマイケルズ・マウントなどの
写真をお見せしようと思っています。

イギリスの伝承で「聖地」といえば、
常春の国「アヴァロン」の島があります。

アヴァロンは、アーサー王が死後に運ばれたという永遠の若さの国。
日本で言えば西方浄土のようなところでしょうか。
アヴァロンがどこにあったのか、
そもそもこの現実の世界のなかに実在するのか、
知るものはいませんが、いつしか人はグラストンベリーが
そのアヴァロンだったのではないかといい始めました。

いまではロックフェスで有名な場所ですが、
同時にアーサー王伝説、聖杯伝説などの中心地になり、多くの神秘研究家が
居を寄せるまでになっています。

アヴァロンに魅せられた人々を「アヴァロニアン」といいますが
ぼくももしかしたらマイナー・アヴァロニアンかもしれません。
講座ではこんなこともお話できたらいいなと思っています。

いまのところ、人数は少ないようなので今回はゆっくりと
お話できると思いますよ。
http://www.acc-web.co.jp/sinjyuku/0710koza/A0101.html
植島ブシに酔えること請け合い。

なお、12月の石井ゆかりさんとの対談講座
満員でキャンセル待ちになっているそうです。

ご了承くださいませ。

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September 25, 2007

9月25日 星のアートに酔いしれる

星と宇宙のイメージは、古くから人々を魅了してきました。

遥かな宇宙は人の気持ちを豊かにし、
創造性を刺激してきました。
星を描いた文学、星をテーマにした音楽などは
数え切れません。

占星術もそんな星のアートのひとつといえるかもしれませんね。

今度、滋賀県立美術館では
「宇宙と天体の美学」というテーマで、
芸術家たちが描く宇宙と星の絵画を展示するという
ユニークな展覧会が開催されます。

ぼくも講演をすることになりました。
お近くのかたはぜひいらしてください。

詳しくはこちら。

http://www.shiga-kinbi.jp/exhibition/exhibition_next.html

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September 18, 2007

9月18日 古版タロット、入手

連休はいかがお過ごしでしたか?

ぼくは講座があったり、その流れで
占星術研究家のいけだ笑みさん、芳垣宗久さんらと
ひさびさに会食。
真摯に占星術に向き合っている方々にあって、
刺激を受けてうれしくなりました。
ほんと、みなさんよく勉強していらっしゃいますね。
またその前には、あえてお名前をだしませんが
ある占星術家とも会食。
その正直で真摯な姿勢に感銘を受けました。

ぼくが占星術を勉強始めたころから
すると隔世の感がありますね。
同好の仲間と話すのは本当に楽しいです。

さて、またしても好事家趣味がこうじて
無駄遣い(?)しちゃいました。

みなさん、エッテイラ(エティヤ)という人をご存知ですか?
18世紀末にタロット=エジプト起源説を唱えた
ジェブランの影響を受け、まったくオリジナルな
エジプト風の独自のタロットを作った人物。
史上初めての職業的なタロット占い師だともいわれています。

旧約聖書の創世記を独自にタロットと対応させた彼のデッキは
順序も絵柄も通常のものとはまったく異なっていますが
その美しい絵柄から復刻版がいくつかの会社から出ていて
今でも広く流通しています。

しかし、ぼくは18世紀末ごろに出版されていた
オリジナルに近いものを発見して、入手しちゃったんです
といっても、それからはずいぶんたってはいますが。
たぶん19世紀半ばから後半のものでしょう。(散逸したもので
年代は書いていないので確証は得られませんが。
古書店では19世紀のものだといっていました)
しかも残念ながら揃いではなく18枚しか残っていません。
でもほら美しいでしょう?

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『タロット こころの図像学』で書いたとおり、
あるいは伊泉龍一さんの『タロット大全』に詳しいように
いまではタロットのエジプト起源説を支持するまともな
研究家はだれもいません。
しかし、18世紀末に起こったアナクロニズム(時代錯誤)が
豊かなタロットの伝統を生み出したのは確かなのです。

またさらに一歩進めると、以前にも書いたように
話題の多い歴史学者M.バナールの『黒いアテナ』などを援用すれば、
タロットエジプト起源説などの一種の「トンデモ説」が
生まれる背景として、進歩史観に突き動かされる以前の
ヨーロッパにあたりまえのように連綿として存在していた
エジプト、アフリカへの崇敬の残響がある、ということに
なるのかもしれません。

この美しいカードに直接触れながら、
ぼくはそんなことにも夢想を広げてしまうのです。

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September 11, 2007

9月11日 対談講座、もうひとつ。京都行きます。

そうだ、もうひとつ、対談講座がありました。
先日ご案内しそこねていました。すみません。

NHK京都文化センターで
画家の小田まゆみさんと対談します。

小田まゆみさんといえば
日本でよりもアメリカでのほうが有名ではないでしょうか。
ハワイに在住しておられ、
女神を描いた作品で世界的に高い評価を得られています。
Goddess Spiritualityと呼ばれる潮流の
大きな一翼をになわれていらっしゃる方です。

来日された機会にお話を伺えることになりました。
これからの女性のライフスタイルを
力強く、美しくサポートされておられる小田まゆみさん。
ぼくもお会いするのがとても楽しみです。

10月28日という京都観光には絶好の季節。

ぜひこちらも楽しみにしていてください。

http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_454021.html

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September 06, 2007

9月6日 対談ラッシュ!

今日は台風。
夜には強風で車の運転も危なくなる、という予報を聞いて
あわてて出張先から戻ってきました。

さてさて、以前にも書いたように
この秋冬は対談講座ラッシュです。
すべて朝日カルチャーセンター新宿での講座になります。

天文学者の渡部潤一先生との対談は9月22日
渡部先生は、最新の「惑星の定義」に関しての原案作成にも
かかわられた、わが国を代表する天文学者のお一人です。
昨年大騒ぎになった冥王星の「降格」(?)問題を中心に
科学とメデイアなどについてお話を伺いたいと思っています。
最新の太陽系についての知見についても
わかりやすく伺える貴重な機会だと思います。

9月28日には、異色の人類学者・植島啓司さんとの対談です。
テーマは「聖地と占星術」
日本で一番セクシーな宗教人類学者だというウワサの(!)
植島先生は、世界中を飛び回りながら
人間存在の根源にある宗教性やエロスの領域に
踏みこもうとされてきたとぼくは理解しています。

10月17日は、鶴岡真弓さんとの対談
チラシにも書いたのですが、ぼくは先生のご著書
『ケルト 装飾的思考』以降、鶴岡先生の大ファンでした。
話題の著書『黄金と生命』を素材にして、
象徴のもつ深い力についてお話を伺いたいと思っています。
テーマは1万年の象徴と霊性。
石器時代から現代までを貫くシンボルの力について
お話を伺いたいと思っています、

そして12月20日には、あの石井ゆかりさんとの
はじめての対談講座
です。
大人気星占いサイト、「筋トレ」の主催者である石井さんは、
そのご著書をみてから僕は大ファンに。
ちょっと嫉妬が入るくらい。
こういう人がついにでてきたかと感慨にふけっています。
疑似科学ぶることも、宇宙の真実に接近するなどという
擬似神智学ぶることもなく、詩的感受性をもって
しかも細かく星の動きを追うという彼女のスタイルは
「心理」占星術のひとつの到達点ではないでしょうか。
これは申し込みが殺到することが予想されますから
お申し込みはお早めに。

なお以前に告知した「カイロン」での講座はもう満員御礼のようです。

こうしてみてくると、最近の僕は対談ばかりですね。
僕自身はたいしたことがないので
こうして皆さんのフンドシで相撲を取らせていただく
ことになるのですが、これはもう、冥利につきる。
ほんと、いい思いをさせていただいてありがたい!

僕のほうも精一杯ホストというか、
引き出し役をつとめさせていただきますね。

長くなっちゃいましたが、今日はお礼とご報告を。
このところ、出版物も次々重版になっています。
『はじめてのタロット』『ソウルフル・タロット』も増刷。
そして故・河合隼雄先生に帯を書いていただいた
拙訳『魂のコード』(ジェイムズ・ヒルマン著)も重版です。
長く愛される本を作らせていただいていることにも、
みなさんのおかげだと。

本当に感謝。

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August 22, 2007

8月22日 天文学と占星術の再会? 講座のご案内

長らく更新していなくてごめんなさい。
お盆休み、みなさんいかがでしたか?
僕はとくに休みはなかったのですが
周囲が静かで事務所の電話もほとんどならず、
なんだか気分だけは休みモードでした。


さて、次々に講座や企画があります

9月15日には
武蔵野市の占星術・タロットスクール「カイロン」で
急遽、ワンデーセミナーをやらせていただくことになりました。
このスクールでは、伊泉龍一さん、いけだ笑みさん、
芳垣宗久さんなど、非常に優秀な講師陣を迎えて
バラエテイ豊かな講座を開講されています。

今回の僕のセミナーは
この学校の名前にもなっている小天体「カイロン」について。
少人数で傷と癒しの元型についてじっくりと想いを
めぐらせていこうと思っています。
お申し込みはこちら。
人数の枠が小さいので早めのお申し込みをお勧めします。

http://www.chiron-school.com/


また、9月22日には
朝日カルチャーセンター新宿で
天文学と占星術について対談講座を行います。
国立天文台の渡部潤一先生とごいっしょして
天文学、占星術のかかわりなどについて
お話をさせていただく予定。
これ、実はそうとう画期的なことなんです。
天文学と占星術は仲の悪い兄弟みたいなところがあって
天文学者の多くは科学教育の敵として占星術を
扱ってしまいます。
当然といえば当然のことなんですが。
しかし、渡部先生は僕の仕事にご理解を示してくださり
対談を引き受けてくださいました。
占星術家と天文学者の対談と講座いうのは、
これまでではありえなかったのではないでしょうか。
ぜひ足を運んでいただけるとうれしいです。

詳しくはこちら。

http://www.acc-web.co.jp/sinjyuku/0710koza/A0301.html

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April 10, 2007

4月9日 伊泉龍一さん セミナー

説話社さん主宰の
伊泉龍一先生のセミナーに参加してきました。

タロット、数秘術、西洋手相などにかんする
優れた本を矢継ぎ早やに出されている伊泉さん。

僕にとってはまさしく「畏友」であります。説話社から
新刊が出たということで、それを記念したセミナーでした。

内容は初心者にもわかりすいものでしたが
その丁寧で親切な姿勢にはまたまた感服。

新刊「完全マスター タロット占術大全」は、近々発売ですが
ロバート・オニールやプレイスら、最新の研究成果をとりいれて
網羅的に現代のタロットシーンにおける手法や問題意識を
整理した非常に便利な一冊になっています。

ほんと、山羊座だからこそできる丁寧なお仕事。
ファンにはマストな一冊です。

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November 11, 2005

11月11日 満員御礼

昨日は朝日カルチャーセンター新宿での講座でした。
おかげさまで、100名くらいきてくださって大教室は満杯。これまで
70名とか80名というのはあったのですが
参加人数としては自己新記録でしょうか。(って数の問題じゃないんだけど)。
次回のときにアンケートも返ってくると思いますので
感想が楽しみ。受講生の方は、寝ちゃうこともなく、
とても熱心に聴いてくださっていて感激しました。
あ、次回だけの参加もオーケーですからね。とくに占星術の予備知識は要りません。

今回は惑星サイクルと人生の節目のことについて
お話していますが、まあ、29歳のころ(サターン・リターン)だとか
35,6歳(土星・木星サイクル)とか38歳のとき(ノードの
サイクル)、42歳から5歳のとき(天王星と土星のサイクル)に節目がくる、などというのは考えてみればごくごく常識的なこと。とくに占星術のシンボリズムなど用いなくてもいいわけですし
なくてすむならそれでいい。

ただ、その節目の意味合いが、惑星サイクルとのシンクロという
「象徴的」なものを持ち出したときに、別の色合いをもって見え始める、というのが占星術の醍醐味なんですよねえ。

宗教学の泰斗ミルチャ・エリアーデはかつてこういっています。
「象徴というものは単に世界を<開く>ばかりではなく、宗教的人間に宇宙的なものへの接近を可能にする。象徴の助けを借りて人間はその個人的状況を去り、普遍妥当的、宇宙的なものへと<開放>される。」(『聖と俗』邦訳202ページ)
おおげさな言葉で語られていますが、要は個人の体験を宇宙的な文脈で捕らえなおす、ということ。
今、体験しているそのことは、キミだけの問題じゃないかもしれない。
それは意味があるよ、というメッセージ。
近代や科学の目からみると(エリアーデの用語で言えば「非宗教的人間」の視点)
これはナルシズム的関係妄想にすぎないかもしれません。

しかし、そうとわかりつつ、あえて、そうした感覚をときどき思い出すことは、大きな力を与えてくれると思うのです。
この「あえて」とか真剣なas if(かのように)の感覚が、現代において
占いや占星術を救い出すポイントになると思っています。

こんなことをいうと、亡くなった占星術の先達たちには
「臆病者」なんていわれてしまいそうですし、まあ、こんな難しい表現をしなくても、多くの占星術ファンはこうしたことを自然に身につけていると僕は感じています。


ところで、拙訳『サターン』(青土社)などを会場で販売しようと思ったら、品切れなんですね。ネットでは1万円近い高値で取引されていると知ってびっくり。本が売れないこの時代で在庫も断裁されてしまったのかと思ったら、ちょうど増刷中なんですって。ほっとしました。
地道に売れています。よかったです。

あとFRaU誌もすごく動きがいいそうです。
ほんとにみなさん、ありがとう!!

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